『DOORS/ドアーズ』
映画『DOORS/ドアーズ』(原題:Doors)
概要
- 原題: Doors
- 邦題: DOORS/ドアーズ
- 公開年: 2021年 (日本での公開は2021年)
- 製作国: アメリカ
- 監督: サマン・ケッシュ、ジェフ・デリー、アリストメニス・ツルバス(それぞれ異なるパートを監督)
- 脚本: サマン・ケッシュ、クリス・ホワイト、エド・トレイシー
- ジャンル: SF、スリラー、オムニバス
- 上映時間: 84分
あらすじ
ある日突然、世界中のあちこちに、謎の黒い壁のような物体が出現します。それは「ドア」と名付けられ、その周囲では人々が次々と消えたり、行方不明になったり、不可解な現象が起こり、世界は混乱に陥ります。
本作は、この「ドア」の出現によって引き起こされる様々な状況を、4部構成のオムニバス形式で描いています。
- 第一部(学校): ロックダウンで学校に閉じ込められた学生たちが、突如現れた「ドア」の脅威に直面します。
- 第二部(ノッカーズ): 政府公認で「ドア」に接触を図り、その謎を探る「ノッカーズ」と呼ばれる調査チームの奮闘が描かれます。
- 第三部(遭難者): 「ドア」の中に吸い込まれたと思われる遭難者と、彼らを発見した者たちの物語。
- 第四部(信奉者): 「ドア」に独自にコンタクトを取ろうとする者や、逆に「ドア」に取り憑かれてしまう者たちの姿を通して、「ドア」の謎に迫ります。
果たして、この謎の物体の正体と目的は何なのか?そして、人類が突きつけられる選択とは?それぞれの視点から、「ドア」という未知なる存在との遭遇が描かれます。
キャスト
- 「ロックダウン」パート:
- ジョシュ・ペック as ヴァンス
- リーナ・エスコ as リアナ
- ダヴィーダ・ウィリアムズ as ドミンゲス
- 「探索」パート:
- ウィルソン・ベセル as リッキー
- リンジー・ショウ as ベッキー
- カティ・ドネリー as ローン
- 「ポータル」パート:
- アレクサンダー・ルーディガー as ジャマル
- ロリータ・フォスター as 医師
- ジュリアン・ハルファス as サイモン
主題歌・楽曲
映画の音楽はジョン・ベルトランが担当しています。特定の主題歌や挿入歌がフィーチャーされているという情報は見当たらず、主にSFスリラーとしての雰囲気を盛り上げるスコアが使用されています。
受賞歴
小規模なインディペンデント映画であるため、主要な映画賞の受賞歴は確認されていません。
撮影秘話
- 本作は、異なる監督がそれぞれのセグメントを担当する形式(アンソロジーまたはオムニバス)で製作されています。サマン・ケッシュ監督が全体のコンセプトと「ロックダウン」パートを監督し、他の監督が残りのパートを手がけました。この製作方式が、映画全体に多様な視点と異なるトーンをもたらしています。
- 各エピソードには、過去のSF作品へのオマージュ要素が含まれているとされています。
- 低予算ながらも、そのアイデアと不気味な雰囲気作りで注目を集めました。
感想
『DOORS/ドアーズ』は、突如現れた謎の物体「ドア」を巡るSFスリラーとして、その独特の雰囲気と不穏な世界観が魅力です。オムニバス形式のため、各エピソードのトーンや展開が異なり、観る者を飽きさせません。特に、得体の知れない存在への恐怖や、人類が直面する未知の現象に対する考察が好きな方には楽しめるでしょう。ただし、明確な答えが提示されない難解な部分も多く、観る人を選ぶ作品でもあります。
レビュー
批評家や観客からのレビューは賛否両論でした。その独特のアイデア、不気味な映像表現、そして「ドア」の謎めいた存在感は評価されました。しかし、オムニバス形式ゆえのストーリーの断片性や、最終的な結論が不明瞭である点については、意見が分かれました。一部の観客からは「訳が分からない」「消化不良」といった声も聞かれる一方、「難解だが深みがある」「SFとしての可能性を感じさせる」といった肯定的な評価も見られます。
考察
この映画は、人類が未知の存在と遭遇した際に、いかにそれを受け止め、対処し、あるいは利用しようとするかというテーマを掘り下げています。明確な説明を避けることで、「ドア」そのものが持つ神秘性や恐怖を強調し、観客自身の想像力に問いかける作りになっています。科学的なアプローチだけでなく、哲学的な問いや、人々の信仰、あるいは狂気といった側面からも、「ドア」の出現が人類に与える影響を描こうとしています。
ラスト
(ネタバレを含みます)
『DOORS/ドアーズ』はアンソロジー形式であるため、各エピソードで異なる結末を迎えます。しかし、全体として明確な「地球の運命」や「ドアの正体」が最終的に明かされるわけではありません。
むしろ、ラストは「ドア」の謎が完全には解明されないまま、あるいは人類がその真の意図を理解できないまま、物語が終わることを示唆します。最終的なエピソードも、観客に解釈を委ねる形で終了し、宇宙の広大さや、人間には理解しがたい存在の可能性を強く印象付けます。人類は「ドア」を通じて新たなフェーズへと進むのか、それとも破滅へと向かうのか、明確な答えは提示されず、不穏な余韻を残します。
視聴できるサイト
- Amazon Prime Video (レンタル・購入)
- U-NEXT (見放題またはレンタル・購入)
- Hulu (見放題またはレンタル・購入)
- Google Play Movies & TV (レンタル・購入)
- YouTube Movies (レンタル・購入)
配信状況は変更される場合がありますので、各プラットフォームでご確認ください。
まとめ
2021年公開の映画『DOORS/ドアーズ』(原題:Doors)は、突如地球上に現れた謎の巨大なドアを巡る3つの物語を描いたSFスリラーのオムニバス作品です。サマン・ケッシュを含む複数の監督が手掛け、未知の存在に対する人類の反応、心理的な変化、そして適応の過程を探求します。謎が完全に解明されない示唆的な展開と、各セグメントで異なる視点から描かれる世界観が特徴で、SFホラーや考察系の作品が好きな方には楽しめる一本です。