『ハングオーバー!!! 最後の反省会』
『ハングオーバー!!! 最後の反省会』
概要
- 原題: The Hangover Part III
- 邦題: ハングオーバー!!! 最後の反省会
- 公開年: 2013年
- 製作国: アメリカ
- 監督: トッド・フィリップス
- 脚本: トッド・フィリップス、クレイグ・メイジン(キャラクターはジョン・ルーカス&スコット・ムーアによる)
- ジャンル: コメディ
- 上映時間: 100分
あらすじ
前作のタイでの騒動から2年後、フィル(ブラッドリー・クーパー)、ステュ(エド・ヘルムズ)、ダグ(ジャスティン・バーサ)は、平穏な日々を送っていました。しかし、彼らの厄介者であるアラン(ザック・ガリフィアナキス)が精神状態を悪化させ、ついに強制的に施設へ送られることになります。
アランを施設へ連れて行く道中、ウルフパックの4人は謎のギャングに襲撃されます。首謀者はマフィアのボス、キングスレー(ジョン・グッドマン)。彼は、前作でミスター・チャウ(ケン・チョン)に盗まれた巨額の金を回収しようとしており、その手がかりとしてダグを誘拐します。キングスレーは、アランがチャウと連絡を取り合っていたことを知っており、残りのフィル、ステュ、アランに、チャウを見つけて金を奪い返すよう命じます。
ダグを救い、チャウを探すため、ウルフパックは再びトラブルに巻き込まれていきます。メキシコのティファナ、そしてラスベガスへと舞台を移し、彼らはチャウの奇妙な行動に振り回され、過去の事件の因縁にも直面することになります。果たして彼らは、これまでの悪夢に終止符を打ち、ダグを無事に救い出すことができるのでしょうか。
主なキャスト
- フィル・ウェネック:ブラッドリー・クーパー
- ステュ・プライス:エド・ヘルムズ
- アラン・ガーナー:ザック・ガリフィアナキス
- ダグ・ビリングス:ジャスティン・バーサ
- ミスター・チャウ:ケン・チョン
- キングスレー:ジョン・グッドマン
- ローレン:ジェイミー・チャン
- カサンドラ:メリッサ・マッカーシー
主題歌・劇中歌
映画のスコアはクリストフ・ベックが担当しています。シリーズ恒例のヒット曲を効果的に使用する演出も健在で、劇中では様々なジャンルの楽曲が使用されています。
受賞歴
前2作のような大きな受賞歴は少ないですが、以下のようなノミネートがありました。
- ティーン・チョイス・アワード 2013:コメディ映画賞(ノミネート)、コメディ男優賞(ザック・ガリフィアナキス - ノミネート)
- MTVムービー・アワード 2014:最高の悪役(ジョン・グッドマン - ノミネート)
撮影秘話
- 本作は『ハングオーバー』シリーズの完結編として制作されました。トッド・フィリップス監督は、この3作目で「狼の群れ」の物語を完結させる意向でした。
- ラスベガスが舞台に再び登場し、シリーズの原点回帰とも言える要素が盛り込まれています。
- マフィアのボス役でジョン・グッドマンが出演しており、シリーズに新たな色を加えています。
- シリーズを通じてお馴染みのミスター・チャウの役割が、本作ではより大きく、物語の中心に深く関わってきます。
感想
『ハングオーバー!!! 最後の反省会』は、前2作のように「記憶がない状態で目が覚める」というお決まりのパターンを避け、物語の完結に焦点を当てています。アランのキャラクターが前面に出ており、彼の奇行が物語を牽引します。アクションやサスペンスの要素も加わり、単なるコメディにとどまらない展開を見せます。しかし、一部のファンからは、従来の「ハングオーバー」らしいドタバタ感が薄れたという声も上がりました。
レビュー
批評家からのレビューは賛否が分かれました。シリーズのマンネリ化を指摘する声や、前作までの衝撃に欠けるという意見もありましたが、アランのキャラクター描写や、ケン・チョン演じるチャウの暴走ぶりは評価されました。シリーズの完結編としては、期待通りの結末ではないと感じる人もいたようです。
考察
本作は、アランが自立し、成長する過程を軸に描かれています。これまで周囲に迷惑をかけ続けてきたアランが、友人たちとの関係や自身の問題と向き合い、人生の新たなステージへ進むことを示唆しています。また、チャウの存在は、社会の規範にとらわれない自由奔放さの象徴とも言え、彼との関係がアランの変化を促す一因となっています。シリーズ全体を通して、友情と絆、そして個人の成長というテーマが描かれていると言えるでしょう。
ラスト
(ネタバレを含みます)
フィル、ステュ、アランは、キングスレーとの約束通り、チャウから金を取り戻し、ダグを救い出すことに成功します。物語の終盤では、アランとメルシー(メリッサ・マッカーシー)という女性との結婚式が描かれます。これは、これまで社会不適合者として描かれてきたアランが、ついに人生のパートナーを見つけ、新たな一歩を踏み出すことを象徴しています。
そして、エンドクレジットの後には、これまでのシリーズを彷彿とさせる、まさに「ハングオーバー」らしい予期せぬドタバタが描かれ、観客に笑いとシリーズへの郷愁を与えつつ、物語は幕を閉じます。
視聴できるサイト
- U-NEXT
- Amazon Prime Video (レンタル/購入)
- Google Play Movies & TV (レンタル/購入)
- YouTube Movies (レンタル/購入)
- Lemino (レンタル/購入)
配信状況は変更される場合がありますので、各サービスの最新情報を確認してください。
まとめ
『ハングオーバー!!! 最後の反省会』は、人気コメディシリーズの完結編として、これまでの「二日酔い」のフォーマットを破り、新たな物語を構築しました。アランのキャラクターの成長と、チャウの予測不能な行動が物語の中心となり、アクションとサスペンスの要素も加わっています。シリーズのファンにとっては賛否両論ある作品かもしれませんが、ウルフパックの旅の終わりを見届けるという意味で、重要な位置づけとなる映画です。