『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』







概要


  • 原題: The Hangover Part II
  • 公開年: 2011年
  • 製作国: アメリカ
  • 監督: トッド・フィリップス
  • 脚本: クレイグ・メイジン、スコット・アームストロング、トッド・フィリップス
  • ジャンル: コメディ
  • 上映時間: 102分
  • レイティング: R指定(性的な内容、暴言、薬物使用、ヌード)


あらすじ


前作のラスベガスでの悪夢のような二日酔いから2年。ステュ(エド・ヘルムズ)はタイで結婚式を挙げることになり、フィル(ブラッドリー・クーパー)、ダグ(ジャスティン・バーサ)、アラン(ザック・ガリフィアナキス)が式に出席するためタイへ向かいます。ステュはラスベガスの悪夢を繰り返さないよう、婚約者のローレン(ジェイミー・チャン)の弟であるテディ(メイソン・リー)と共に、結婚式の前夜は静かに過ごすことを誓います。

しかし、なぜかその夜、彼らは再び大酒を飲んで記憶を失い、翌朝バンコクの薄汚いホテルの一室で目を覚まします。そこにはアランの頭は丸坊主になり、ステュの顔にはタトゥーが、そして何と、モンキーが部屋にいるではありませんか!さらに最悪なことに、ローレンの弟テディが姿を消していました。残されたのは、指が一本だけ。

彼らは一体昨晩何をしたのか、テディはどこへ行ったのか。結婚式が刻一刻と迫る中、「ウルフパック」のメンバーは、混沌としたバンコクの街を奔走し、失われた記憶の断片とテディの行方を探す羽目になります。その過程で、彼らは再び、前作を上回るような破天荒で予測不能なトラブルに巻き込まれていきます。


主なキャスト


  • ブラッドリー・クーパー as フィル・ウェネック
  • エド・ヘルムズ as ステュアート・プライス(ステュ)
  • ザック・ガリフィアナキス as アラン・ガーナー
  • ケン・チョン as レスリー・チャウ(ミスター・チャウ)
  • ジャスティン・バーサ as ダグ・ビリングス
  • ジェイミー・チャン as ローレン
  • メイソン・リー as テディ
  • マイク・タイソン (カメオ出演)


主題歌・楽曲


映画には特定の主題歌はありませんが、物語の舞台であるタイの雰囲気や、混沌とした状況を盛り上げるために、様々なジャンルの楽曲が使用されています。

  • 「Black Eyed Dog」 (ニック・ドレイクのカヴァー) - ステュが演奏する曲として登場します。
  • 「One Night in Bangkok」 (マレー・ヘッド) - エンドクレジットで使用されます。
  • 他にも、サウンドトラックにはロック、ヒップホップ、ポップスなど、多岐にわたる楽曲が収録されています。


受賞歴


  • ゴールデンラズベリー賞2012: 最低続編賞ノミネート
  • MTVムービー・アワード2012: 最優秀コメディ演技賞(ザック・ガリフィアナキス)ノミネート
  • 興行的には大成功を収めましたが、批評家からは前作の焼き直しといった評価が多く、主要な映画賞の受賞は多くありません。


撮影秘話


  • タイでの撮影: 主要な撮影はタイのバンコクと、ビーチリゾートのクラビで行われました。熱帯の気候や現地の文化が、映画の混沌とした雰囲気を強調しています。
  • モンキーの参加: 登場するモンキーは、実際に訓練されたサルが演じています。
  • マイク・タイソンの再登場: 前作に引き続き、マイク・タイソンがカメオ出演しています。
  • メル・ギブソン降板の騒動: 当初、飛行機での客演としてメル・ギブソンが予定されていましたが、撮影開始直前に降板し、代わりにリーアム・ニーソンが起用されました。しかし、ニーソンも最終的に登場シーンがカットされ、代わりにニック・カサヴェテスがその役を演じました。
  • スタントに関する訴訟: モンキーに関するスタントで訴訟が起こるなど、撮影外でも話題となりました。


感想


前作『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』のヒットを受け、舞台をラスベガスからタイへと移した続編。基本的なフォーマットは前作を踏襲しており、記憶をなくした「ウルフパック」のメンバーが、失われた一夜の真相を探るという展開は健在です。アランの破天荒な行動がさらにエスカレートし、予測不能な笑いを提供します。前作のノリが好きだった人にとっては、期待を裏切らない作品と言えるでしょう。ただし、前作と似たような展開に、マンネリを感じるという意見もあります。


レビュー


批評家からのレビューは、前作に比べて賛否両論でした。Rotten Tomatoesでは評価が低く、多くの批評家が「前作の焼き直し」や「新鮮味がない」と指摘しました。しかし、観客からの評価は比較的高く、特にコメディとしての面白さや、予測不能な展開を評価する声が多く見られました。興行収入は全世界で5億ドルを超え、コメディ映画としては非常に成功を収めました。


考察


本作は、前作で確立された「ウルフパック」という男性グループの友情と、彼らが引き起こす予測不能なトラブルというフォーマットを忠実に再現しています。記憶喪失という設定を通して、人間の行動の不可解さや、友情の試練が描かれています。また、異文化であるタイのバンコクを舞台にすることで、彼らのトラブルがさらにエスカレートし、異国での混乱が強調されています。前作の成功の要因となった「過激なコメディ」をさらに追求した作品と言えるでしょう。


ラスト


(ネタバレを含みます)


 映画のラストでは、失われた一夜の記憶が、写真という形で明らかになります。結婚式のレセプションで、ダグのカメラに残された写真がスライドショーで上映され、一同は昨晩のバンコクでの狂乱ぶりを思い出すことになります。そこには、モンキーとの奇妙な交流、チャウとの再会、そしてテディがどこで指を失ったのか、なぜ消えたのかといった全ての謎が、信じがたい写真とともに明らかにされます。テディの指は、実はアランが酔った勢いで切ってしまったものだったことが判明します。衝撃的な写真の数々に、一同は呆れと笑いを禁じえません。そして、その写真には、ステュの顔に入ったタトゥーの「なぜ?」が隠されていることも明らかになります。


視聴できるサイト


配信状況はサービスによって異なる場合があり、見放題の対象作品は時期によって変動するため、視聴前に各サービスの公式サイトで最新の情報を確認することをおすすめします。


まとめ


『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』は、大ヒットした前作の続編で、舞台をラスベガスからタイのバンコクに移し、「ウルフパック」のメンバーが再び記憶を失い、消えたテディを探すという物語です。前作の過激なコメディ要素をさらにエスカレートさせた作品で、記憶をなくした一夜の真相が写真で明かされるラストは、シリーズの定番となっています。批評家の評価は賛否両論でしたが、興行的には大成功を収め、コメディファンには引き続き人気のある作品です。