『ドント・ブリーズ』





概要


  • 原題: Don't Breathe
  • 邦題: ドント・ブリーズ
  • 公開年: 2016年
  • 製作国: アメリカ
  • 監督: フェデ・アルバレス
  • 脚本: フェデ・アルバレス、ロド・サヤゲス
  • ジャンル: ホラー、スリラー
  • 上映時間: 88分


あらすじ


ロッキー(ジェーン・レヴィ)、アレックス(ディラン・ミネット)、マニー(ダニエル・ゾヴァット)の3人の若者は、退廃的なデトロイトを舞台に、空き家に侵入して金品を盗む生活を送っていました。彼らは、近所に住む盲目の退役軍人(スティーブン・ラング)が多額の隠し財産を持っているという噂を耳にし、最後の強盗として彼の家に侵入することを計画します。

深夜、静まり返った家に忍び込んだ彼らは、容易に大金を手に入れることができると考えますが、それは大きな誤算でした。盲目の退役軍人は、視覚を失っているにもかかわらず、驚異的な聴覚と並外れた戦闘能力を持つ危険な男だったのです。

侵入者たちは家の中に閉じ込められ、息を潜めて退役軍人から逃れようとしますが、暗闇の中で繰り広げられる壮絶な追いかけっこは、彼らの想像をはるかに超える恐怖へと変わっていきます。そして、退役軍人が隠しているのは、金銭だけではなかったのです。


主なキャスト


  • ロッキー:ジェーン・レヴィ
  • アレックス:ディラン・ミネット
  • マニー:ダニエル・ゾヴァット
  • 盲目の退役軍人:スティーブン・ラング


主題歌


映画の音楽はロケ・バニョスが作曲しました。特定の主題歌というよりは、緊迫感を高めるための劇伴音楽が効果的に使用されています。


受賞歴


  • エンパイア賞 (2017): ベストホラー賞 受賞
  • サターン賞 (2017): ベストホラー映画賞 ノミネート
  • MTVムービー・アワード (2017): 最優秀悪役賞 (スティーブン・ラング) ノミネート
  • その他、数々のホラー映画賞でノミネート・受賞しています。


撮影秘話


  • 監督のフェデ・アルバレスは、限られた空間の中で緊張感を最大限に引き出すため、長回しやPOV(主観視点)の撮影を多用しました。
  • 盲目の退役軍人を演じたスティーブン・ラングは、役作りのために実際に目隠しをして生活するなど、徹底的な役作りを行いました。
  • 映画の舞台となる荒廃した家は、デトロイト郊外の実際の家を使用して撮影されました。
  • 音響効果が非常に重要な役割を果たしており、息を潜めるシーンなど、静寂の中に響くわずかな音で恐怖を煽っています。


感想


『ドント・ブリーズ』は、息をのむような緊張感が持続する、非常にスリリングなホラー映画です。盲目の老人という一見弱そうな存在が、実は圧倒的な脅威であるという設定が斬新で、観客を最後までハラハラさせます。ジェーン・レヴィをはじめとするキャストの演技も素晴らしく、特にスティーブン・ラングの存在感は強烈です。予測不可能な展開と、暗闇の中で繰り広げられる攻防は、従来のホラー映画とは一線を画しています。


レビュー


批評家からの評価は非常に高く、Rotten Tomatoesでは88%の高評価を得ています。「緊張感に満ち、巧妙に作られた『ドント・ブリーズ』は、新鮮なひねりを加えた容赦のないスリラーであり、観客は息をすることもためらうだろう」と評されています。観客からの支持も厚く、スマッシュヒットを記録しました。


考察


この映画は、強盗という犯罪行為を犯した若者たちが、予想外の強敵に追い詰められるというシンプルな構図の中に、倫理的な問いや人間の本性を深く掘り下げています。視覚を失っていることで、他の感覚が研ぎ澄まされている退役軍人の能力や、追い詰められた人間の狂気、そして生き残るための手段を選ばない登場人物たちの姿は、観る者に様々な感情を抱かせます。また、家の構造を活かしたサスペンス演出も特筆すべき点です。


ラスト


(ネタバレを含みます)

ロッキーは最終的に家から逃げ出すことに成功しますが、退役軍人の隠していた恐ろしい秘密を知ってしまいます。ラストシーンでは、彼女が空港で逃亡の準備をする中、ニュースで退役軍人が逮捕されていないことが報道され、さらなる恐怖の余韻を残して物語は幕を閉じます。


視聴できるサイト


配信状況は変更される場合がありますので、各サービスの最新情報を確認してください。


まとめ


『ドント・ブリーズ』は、盲目の退役軍人の家に侵入した若者たちが、想像を絶する恐怖に見舞われるスリラーホラーです。息をのむような緊張感、予測不可能な展開、そしてスティーブン・ラングの圧倒的な存在感が魅力です。批評家からも観客からも高い評価を得ており、ホラー映画ファンなら必見の一作と言えるでしょう。