『ダークタワー』
『ダークタワー』
概要
- 原題: The Dark Tower
- 公開年: 2017年
- 製作国: アメリカ
- 監督: ニコライ・アルセル
- 脚本: アキヴァ・ゴールズマン、ジェフ・ピンクナー、アンドリュー・ジェイコブソン、ニコライ・アルセル(スティーブン・キングの小説「ダークタワー」シリーズに基づく)
- ジャンル: ファンタジー、アクション、アドベンチャー、SF、ホラー
- 上映時間: 95分
あらすじ
ある日、ニューヨークに住む少年ジェイク・チェンバーズ(トム・テイラー)は、奇妙な悪夢を見るようになります。その夢の中には、崩壊した世界と、世界を繋ぐ塔「ダークタワー」、そして黒衣の男と呼ばれる邪悪な存在ウォルター・オディン(マシュー・マコノヒー)が現れます。
ジェイクは夢で見た場所が現実世界と繋がっていることを知り、偶然たどり着いた異世界ミッド・ワールドで、最後のガンスリンガーであるローランド・デスチェイン(イドリス・エルバ)と出会います。ローランドは、かつて世界を守っていたガンスリンガーの血筋の最後の生き残りで、黒衣の男がダークタワーを破壊し、多元宇宙を崩壊させようとしているのを阻止しようとしていました。
ジェイクの特別な力とローランドの銃の腕を頼りに、二人は黒衣の男を追跡し、ダークタワーを守るための壮大な旅に出ます。しかし、黒衣の男の力は強大で、二人の行く手を阻む様々な脅威が待ち受けています。
キャスト
- ローランド・デスチェイン:イドリス・エルバ
- ウォルター・オディン(黒衣の男):マシュー・マコノヒー
- ジェイク・チェンバーズ:トム・テイラー
- ティム・チェンバーズ(ジェイクの父):デニス・ヘイスバート
- ローリー・チェンバーズ(ジェイクの母):キャスリン・ウィニック
- セイラ・ホップキンス(ジェイクのカウンセラー):ジャッキー・アール・ヘイリー
- ナタリー・ストラッグ:アビー・リー
主題歌
映画の音楽はジャンキーXLが作曲しました。特定の主題歌というよりは、壮大なファンタジーとアクションの雰囲気を盛り上げるスコアが中心です。
受賞歴
目立った主要な映画賞の受賞歴はありません。
撮影秘話
- スティーブン・キングの長編小説「ダークタワー」シリーズは、複数のジャンルを横断する壮大な物語であり、映画化は長年の課題でした。
- 撮影は、南アフリカ共和国のケープタウンとニューヨークで行われました。
- 原作の膨大な要素を95分という上映時間に収めるため、物語は大幅に圧縮・再構成されています。
- 監督のニコライ・アルセルは、原作の核となる要素を残しつつ、映画として独立した作品を目指したと語っています。
感想
原作のファンからは、物語の圧縮や変更点が多く、期待外れだったという意見が多く聞かれました。一方で、原作を知らない観客からは、イドリス・エルバとマシュー・マコノヒーの演技は評価されたものの、ストーリー展開が駆け足で、世界観の説明不足を感じたという声がありました。壮大な原作を一本の映画にまとめることの難しさが露呈した作品と言えるかもしれません。
レビュー
批評家からの評価は非常に厳しいものでした。Rotten Tomatoesでは16%という低い支持率で、「『ダークタワー』は、その才能あるキャストにもかかわらず、スティーブン・キングの広大で愛されているシリーズを退屈で理解しがたい映画化にしてしまった」という酷評がされています。Metacriticでも34/100という低いスコアで、「概ね否定的なレビュー」とされています。
多くのレビューで、プロットの混乱、キャラクターの掘り下げ不足、特殊効果の出来などが批判されました。
考察
映画『ダークタワー』は、原作の持つ多元宇宙や善と悪の壮大な戦いといったテーマを扱おうとしましたが、尺の制約や脚本の構成の問題から、その深みを十分に表現するには至りませんでした。ジェイクの視点から物語を進めることで、原作の入門編としての役割を持たせようとした意図は窺えますが、結果的に原作の魅力や複雑さを損なってしまったという見方が強いです。
ラスト
(ネタバレを含みます)
映画のラストでは、ローランドとジェイクは黒衣の男を倒し、一時的にダークタワーを守ることに成功します。ジェイクはニューヨークへ戻りますが、ローランドは再びダークタワーを守るための旅を続けることを決意します。しかし、黒衣の男が完全に倒されたわけではないことが示唆され、物語は未完のまま終わります。
視聴できるサイト
- Amazon Prime Video
- Netflix
- Google Play Movies & TV
- YouTube Movies
- U-NEXT
- dTV
配信状況は変更される場合がありますので、各サービスの最新情報を確認してください。
まとめ
映画『ダークタワー』は、スティーブン・キングの壮大なファンタジー小説シリーズを映画化した作品ですが、批評家や原作ファンからは厳しい評価を受けました。イドリス・エルバとマシュー・マコノヒーの演技は評価されたものの、物語の圧縮や構成、世界観の描写不足などが課題として挙げられています。原作の壮大な物語を一本の映画に収めることの難しさを改めて感じさせる作品と言えるでしょう。