『シアター・ナイトメア』
『シアター・ナイトメア』
概要
- 原題: The Last Showing
- 公開年: 2014年
- 製作国: イギリス
- 監督: フィル・ホーク
- 脚本: フィル・ホーク
- ジャンル: ホラー、スリラー
- 上映時間: 88分
あらすじ
老舗の映画館「エンパイア・シネマ」は、経営難のため閉館の日を迎えていました。最後の客である若いカップル、アリー(エミリー・バーン)とジョーイ(フィン・ジョーンズ)は、最終上映のホラー映画を観に来ます。
一方、かつてこの映画館で映写技師として働いていたスチュアート(ロバート・イングランド)は、映画に対する情熱と、時代の変化によって映画館が衰退していくことへの怒りを募らせています。最終上映が終わった後、スチュアートはアリーとジョーイを館内に閉じ込め、彼らを自身の歪んだ復讐劇の道具にしようとします。
スチュアートは、映画のフィルムを操り、館内の照明や音響を自在にコントロールすることで、現実と虚構を曖昧にした悪夢のような状況を作り出します。アリーとジョーイは、出口のない暗闇の中で、スチュアートの狂気に満ちたゲームに翻弄され、生き残るために必死の抵抗を試みます。映画館全体が、彼らを追い詰める恐怖の舞台へと変貌していくのです。
主なキャスト
- ロバート・イングランド as スチュアート
- フィン・ジョーンズ as マーティン
- エミリー・バーリントン as アリー
- キース・アレン as コリンズ
主題歌・劇中歌
この映画に関する明確な主題歌の情報は見当たりませんでした。劇中では、映画館という舞台設定を活かし、ホラー映画のサウンドトラックや効果音が効果的に使用され、緊張感を高めています。
受賞歴
低予算のインディペンデントホラー・スリラー映画であるため、主要な映画賞の受賞歴は確認されていません。
撮影秘話
- 撮影はイギリスのウェールズで行われました。
- 老舗の映画館という閉鎖的な空間を舞台に、限られたセットと照明、音響効果を駆使して恐怖感を演出しています。
- ロバート・イングランドは、ホラー映画『エルム街の悪夢』シリーズのフレディ・クルーガー役で知られるベテランホラー俳優であり、本作でも強烈な存在感を放っています。
感想
『シアター・ナイトメア』(The Last Showing)は、映画館という独特なシチュエーションを活かした、閉鎖的でじわじわと迫りくる恐怖を描いたスリラーです。ロバート・イングランドの怪演が光り、映画に対する歪んだ愛情が狂気へと変貌していく様は、観る者に不気味な印象を与えます。低予算ながらも、限られた要素を効果的に使い、サスペンスを高める演出が評価されています。
レビュー
批評家からの評価は賛否両論でした。ロバート・イングランドの演技や、映画館という舞台設定の独創性は評価された一方で、プロットの展開がやや単調である、あるいは恐怖演出が物足りないといった意見もありました。しかし、一部のレビューでは、インディペンデントホラーならではのアイデアと雰囲気が楽しめる作品として評価されています。
考察
『シアター・ナイトメア』(The Last Showing)は、映画に対する愛情が歪んだ形で暴走する様を描いています。時代の変化に取り残され、自身の情熱が理解されないと感じるスチュアートの孤独と怒りは、観客に映画館の衰退という現実と、それに対する映画人の複雑な感情を考えさせます。また、現実と虚構の境界線が曖昧になる中で、人間の狂気がどのように増幅していくのかを描いた作品とも言えるでしょう。
ラスト
(ネタバレを含みますのでご注意ください)
スチュアートは映画館のシステムを操り、マーティンとアリーを心理的に追い詰めます。マーティンは、スチュアートの策略によってアリーに疑われ、混乱した状況の中で警察官に射殺されてしまいます。
アリーは、マーティンが自分を襲おうとしたと思い込み、最終的にスチュアートに助けられたと信じ込んでしまいます。スチュアートのシナリオは、歪んだ形で実現するのです。アリーは、真実を知ることなく、スチュアートの作り上げた虚構の世界の中で生き残ることになります。
そして、ラストはスチュアートの歪んだ計画通りに進み、悲劇的な結末を迎えます。
視聴できるサイト
- Amazon Prime Video
- U-NEXT
- dTV
- Google Play Movies & TV
- YouTube Movies
配信状況は変更される場合がありますので、各サービスの最新情報を確認してください。
まとめ
『シアター・ナイトメア』(原題:The Last Showing)は、閉館を迎えた老舗映画館を舞台に、元映写技師の狂気が若いカップルを襲うホラー・スリラーです。ロバート・イングランドの怪演と、映画館という独特なシチュエーションを活かした恐怖演出が特徴。低予算ながらも、アイデアと雰囲気で楽しめる作品として、一部のホラーファンに支持されています。