『セントラル・インテリジェンス』
映画『セントラル・インテリジェンス』(原題:Central Intelligence)
概要
- 原題: Central Intelligence
- 邦題: セントラル・インテリジェンス
- 公開年: 2016年(日本公開:2016年11月25日)
- 製作国: アメリカ合衆国
- 監督: ローソン・マーシャル・サーバー
- 脚本: アイラ・ウィットコップ、デヴィン・フリードマン、ローソン・マーシャル・サーバー
- ジャンル: アクション、コメディ
- 上映時間: 107分
あらすじ
高校時代、会計士のカルヴィン・ジョイナー(ケヴィン・ハート)は誰もが認める人気者で、スポーツも勉強もでき、将来を嘱望される「ゴールデン・ジェット」と呼ばれていました。一方、肥満体型でいじめられっ子だったロビー・ウィアディヒト(ドウェイン・ジョンソン)は、卒業式の夜に全校生徒の前で裸にされるという屈辱を味わいます。しかし、そんな彼を唯一助け、優しく接したのがカルヴィンでした。
20年後、カルヴィンはしがない会計士として平凡な毎日を送っていました。妻との関係も冷え込み、高校時代の輝きは見る影もありません。そんなある日、彼はFacebookを通じて、昔の友人から友達申請を受けます。その友人こそが、あのロビー・ウィアディヒトでした。しかし、ロビーは「ボブ・ストーン」と名を変え、筋骨隆々の巨漢に変貌していました。
ボブとの再会を喜ぶカルヴィンでしたが、ボブは自分がCIAのエージェントであり、国家を揺るがす陰謀に巻き込まれていることを打ち明けます。そして、半ば強引にカルヴィンをその危険な任務に巻き込んでいくのです。ボブの突飛な行動に戸惑いながらも、カルヴィンは徐々に彼が抱える孤独と、意外な過去の真実に気づかされていきます。
キャスト
- ボブ・ストーン / ロビー・ウィアディヒト: ドウェイン・ジョンソン
- カルヴィン・ジョイナー: ケヴィン・ハート
- パメラ・ハリス: エイミー・ライアン
- メイソン: アーロン・ポール
- ダーシー・ライコフ: ダニエル・ニコラス レイチェル・カルヴィン・ジョイナーの妻
- トレヴァー: ジェイソン・ベイトマン(カメオ出演)
- ディレクター: メリッサ・マッカーシー(カメオ出演)
主題歌・楽曲
映画の音楽は、セオドア・シャピロが担当しています。特定の主題歌がフィーチャーされているという情報はありませんが、アクションとコメディの融合に合わせた、軽快で時に緊張感のあるスコアが特徴です。
受賞歴
本作は主要な映画賞の受賞歴は確認できませんでしたが、ドウェイン・ジョンソンとケヴィン・ハートのコメディアンとしての相性が評価され、ティーン・チョイス・アワードなどでノミネートされました。
- ティーン・チョイス・アワード2016:
- チョイス・サマー・ムービー(ノミネート)
- チョイス・サマー・ムービー・スター:男性(ドウェイン・ジョンソン、ノミネート)
- チョイス・ヒストリック・アイコン(ドウェイン・ジョンソン、ノミネート)
- ピープルズ・チョイス・アワード2017:
- 好きなコメディ映画(ノミネート)
- 好きなコメディ映画男優(ドウェイン・ジョンソン、ノミネート)
- 好きなコメディ映画男優(ケヴィン・ハート、ノミネート)
撮影秘話
- ドウェイン・ジョンソンは、いじめられっ子だったロビーが大人になって肉体改造を遂げた姿を演じるため、役作りに非常に力を入れました。彼の陽気でどこか奇妙なキャラクターは、ドウェイン・ジョンソン自身の魅力と相まって、本作の大きな見どころとなっています。
- ケヴィン・ハートは、ドウェイン・ジョンソン演じるボブに巻き込まれる常識人のカルヴィンをコミカルに演じ、二人の身長差も相まって、視覚的なコメディ効果を生み出しています。
- 監督のローソン・マーシャル・サーバーは、過去に『ドッジボール』や『なんちゃって家族』といったコメディ映画を手掛けており、本作でも得意とするコメディのセンスを発揮しています。
感想
『セントラル・インテリジェンス』は、ドウェイン・ジョンソンとケヴィン・ハートという、ハリウッドを代表する人気コメディアン(兼アクション俳優)二人の相性の良さが光る作品です。ドウェイン・ジョンソン演じるボブの、見た目とは裏腹な純粋さと奇妙さが笑いを誘い、ケヴィン・ハート演じるカルヴィンの巻き込まれ型のツッコミが絶妙なバランスを生んでいます。アクションシーンも迫力があり、最後まで飽きさせないエンターテイメント性の高い作品です。
レビュー
批評家からのレビューは賛否両論でした。ドウェイン・ジョンソンとケヴィン・ハートの相性の良さと、二人の演技は高く評価されました。特に、ドウェイン・ジョンソンが演じる「巨体だが内面は繊細」というキャラクター設定が新鮮だと評されました。しかし、プロットの一部に予測可能な展開がある、あるいはコメディとアクションのバランスが完璧ではないという意見もありました。概ね、気軽に見られる楽しいエンディターテイメント作品として受け入れられています。
考察
この映画は、外見と内面のギャップ、そして過去の自分との向き合い方をテーマにしています。ロビー(ボブ)は、肉体を鍛え上げたにもかかわらず、高校時代のいじめられっ子だった頃の純粋さや、孤独を抱え続けています。一方、カルヴィンは、かつての輝きを失い、平凡な人生に疑問を感じています。二人の再会と、ボブがカルヴィンに求める「友情」は、互いに自己肯定感を取り戻し、自分自身を受け入れるためのプロセスとして描かれています。
ラスト
(ネタバレを含みます)
最終的に、ボブとカルヴィンは、国家を揺るがす陰謀の黒幕が、高校時代にボブをいじめていたトレヴァーであったことを突き止めます。そして、CIAの真の内部告発者「ブラック・バジャー」の正体がボブ自身であったことも明らかになります。ボブは、腐敗したCIAの計画を阻止するために、自ら危険な立場に身を置いていたのです。
卒業式の夜、いじめられて全裸になったボブを助け、コートを貸してくれたのはカルヴィンでした。ボブはその時の「ゴールデン・ジェット」であるカルヴィンの優しさを忘れず、彼だけを信頼してこの任務に巻き込んだのでした。
映画のクライマックスでは、ボブとカルヴィンが協力し、トレヴァーを阻止し、国家の機密情報を守ります。事件が解決した後、ボブは行方をくらましますが、カルヴィンは高校の同窓会で、かつての自信を取り戻し、妻との関係も修復に向かいます。
同窓会のステージで、カルヴィンはスピーチを行い、ボブとの冒険を通じて得た友情と自己成長について語ります。その時、ひっそりと会場にボブが現れ、カルヴィンに微笑みかけます。カルヴィンは、再びボブと共にどこかへと去っていくことを示唆し、二人の奇妙で強力な友情が今後も続くことを暗示して映画は幕を閉じます。
視聴できるサイト
- Amazon Prime Video
- U-NEXT
- Hulu
- Netflix (時期によって配信状況が変わることがあります)
- Google Play Movies & TV
- YouTube Movies
これらのサービスでは、レンタルまたは購入での視聴が可能です。具体的な配信状況は、各プラットフォームでご確認ください。
まとめ
映画『セントラル・インテリジェンス』は、ドウェイン・ジョンソンとケヴィン・ハートが主演する2016年のアクション・コメディです。高校時代にいじめられっ子だった肥満体がCIAのエージェントとして肉体改造を遂げ、かつての人気者だった同級生を国家規模の陰謀に巻き込む物語。二人の絶妙な掛け合いとアクションシーンが魅力で、外見と内面のギャップ、友情、そして自己肯定感をテーマに、コメディとスリルをバランス良く融合させたエンターテイメント作品として高い評価を得ています。