『ペントハウス』
映画『ペントハウス』(原題:Tower Heist)
概要
- 原題: Tower Heist
- 邦題: ペントハウス
- 公開年: 2024年5月30日現在、日本での公開は2012年2月3日。製作年は2011年。
- 製作国: アメリカ、日本 (製作会社に電通も参加)
- 監督: ブレット・ラトナー
- 脚本: テッド・グリフィン、ジェフ・ナサンソン
- ジャンル: クライム、アクション、コメディ
- 上映時間: 104分
あらすじ
ニューヨーク、マンハッタンの高級アパートメント「ザ・タワー」の管理マネージャーを務めるジョシュ・コヴァックス(ベン・スティラー)は、長年住人たちから絶大な信頼を寄せられていました。特に、最上階のペントハウスに住む大富豪アーサー・ショー(アラン・アルダ)は、彼にとって尊敬する存在でした。しかし、ある日、アーサーが巨額の証券詐欺事件で逮捕されます。その詐欺の被害には、ジョシュをはじめとする「ザ・タワー」の従業員たちの年金も含まれていることが判明します。
怒りに震えるジョシュは、従業員たちを代表してアーサーから年金を奪い返すことを決意します。彼らは素人ながらも、アーサーのペントハウスに隠されたとされる数百万ドルの財産を盗み出す計画を立てます。計画実行のため、ジョシュは幼なじみのプロの泥棒、スライド(エディ・マーフィ)を「先生」として招き、型破りな泥棒チームを結成します。
この寄せ集めの泥棒チームは、厳重な警備を誇る超高級ペントハウスからの大金奪取という、前代未聞のミッションに挑むことになります。果たして彼らは、大富豪から金を取り戻し、自分たちの人生を取り戻すことができるのでしょうか。
キャスト
- ジョシュ・コヴァックス: ベン・スティラー
- スライド: エディ・マーフィ
- チャーリー・ギブス: ケイシー・アフレック
- アーサー・ショー: アラン・アルダ
- フィッツヒュー: マシュー・ブロデリック
- デヴロー捜査官: ティア・レオーニ
- エンリケ・デヴロー: マイケル・ペーニャ
- オデッサ・モンテロ: ガボレイ・シディベ
主題歌・楽曲
映画の音楽はクリストフ・ベックが担当しています。特定の主題歌や劇中歌がフィーチャーされているという情報はありませんが、コメディ・アクションに合わせた軽快でテンポの良いスコアが特徴です。
受賞歴
主要な映画賞の受賞歴は確認できませんでした。
撮影秘話
- 本作の企画は、エディ・マーフィが自身を泥棒のリーダー役に、ベン・スティラーを彼の弟子役に据えた映画を提案したことから始まりました。しかし、最終的にはベン・スティラーがチームのリーダーとなり、エディ・マーフィは泥棒のプロとして彼らを導く役どころに変更されました。
- 映画の舞台となる「ザ・タワー」は、ニューヨークのトランプ・タワーがモデルとされており、現実の高級マンションの雰囲気を取り入れています。
- マンハッタンでの大規模な撮影が行われ、リアルな都市の景観が作品に活かされています。
- 監督のブレット・ラトナーは、『ラッシュアワー』シリーズなど、アクションとコメディを融合させた作品で知られています。
感想
『ペントハウス』は、テンポの良いクライム・コメディとして楽しめる作品です。豪華キャストの共演が見どころで、特にベン・スティラーとエディ・マーフィの異なる魅力が光ります。物語はシンプルな復讐劇ですが、ユニークなキャラクターたちが繰り広げる泥棒計画は、ハラハラドキドキのアクションと笑いをバランス良く提供します。リーマン・ショック後の経済格差という社会情勢を背景にしている点も、当時の観客に共感を呼びました。
レビュー
批評家からのレビューは賛否両論でした。コメディ部分とキャストの演技は評価された一方で、ストーリーの深さや意外性に欠けるという意見もありました。しかし、観客からの評価は比較的良好で、特にベン・スティラーとエディ・マーフィのコンビネーションが好評でした。アクションとコメディの融合を楽しめるエンターテイメント作品として受け入れられています。
考察
この映画は、2008年の経済危機がもたらした社会的な不満、特に富裕層と一般市民との経済格差というテーマを背景にしています。ジョシュたちの行動は、単なる泥棒ではなく、「富の再分配」というある種の正義感に基づいています。映画はこれを深刻に描くのではなく、コメディとして昇華させることで、観客が共感し、カタルシスを感じられるように作られています。
ラスト
(ネタバレを含みます)
泥棒チームは、綿密な計画と予期せぬトラブルを乗り越え、ついにアーサー・ショーのペントハウスに侵入します。彼らは隠された大金を見つけ出し、回収に成功しますが、最終的にはFBIに逮捕されます。
しかし、逮捕後、彼らが盗んだ金はすべて回収されたかに見えましたが、実はチームは clever なトリックを使って、盗んだ現金のほとんどを、以前彼らの年金が横領された従業員たちに密かに分配していました。この事実は、警察や大衆には知らされず、ジョシュたちは刑務所に送られますが、彼らの行動が正当な「復讐」であったこと、そして年金が従業員たちの手に戻ったことを暗示するような結末を迎えます。
最終的にジョシュは数年の刑期を終えて出所し、他のメンバーもそれぞれの形で新しい生活を始めることが示唆されます。彼らは泥棒としては失敗したかもしれませんが、自分たちの正義を貫いたという満足感を得たように描かれます。
視聴できるサイト
- Amazon Prime Video
- U-NEXT
- Hulu
- Netflix (時期によって配信状況が変わることがあります)
- Google Play Movies & TV
- YouTube Movies
これらのサービスでは、レンタルまたは購入での視聴が可能です。具体的な配信状況は、各プラットフォームでご確認ください。
まとめ
映画『ペントハウス』(原題:Tower Heist)は、2011年製作のアメリカのクライム・アクション・コメディです。大富豪による詐欺で年金を失った従業員たちが、彼に復讐するため、高級ペントハウスからの金銭奪取を企てる物語です。ベン・スティラーとエディ・マーフィのW主演で、社会問題を背景にしながらも、痛快なアクションとユーモアを交えたエンターテイメント作品として仕上げられています。批評は賛否両論でしたが、観客からは多くの支持を集めました。
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