『エンド・オブ・ザ・ワールド』





概要


  • 原題: Seeking a Friend for the End of the World
  • 邦題: エンド・オブ・ザ・ワールド
  • 公開年: 2012年(アメリカ)
  • 監督・脚本: ローリーン・スカファリア
  • 製作: スティーヴ・ゴリン、ジョイ・ゴリン
  • 製作総指揮: スティーヴ・カレル、キーラ・ナイトレイ、マーク・ロイバル
  • ジャンル: SF、ロマンティック・コメディ、ドラマ


あらすじ


巨大な小惑星マチルダが地球に衝突するまであと3週間。世界が終末に向かう中、人々はパニックに陥ったり、最後の享楽にふけったり、諦めて静かに過ごしたりと、様々な反応を見せていた。

保険セールスマンのダッジ・ピーターセン(スティーヴ・カレル)は、妻のオリヴィアに突然去られ、一人取り残されていた。そんな中、彼は昔の恋人ペニーから誤って届いた手紙を受け取る。その手紙に心を動かされたダッジは、終末が来る前にペニーに会いたいと考えるようになる。

一方、ダッジのアパートの隣人であるペニー・ワシントン(キーラ・ナイトレイ)は、過去の恋愛で傷つき、どこか不安定な女性だった。彼女もまた、家族と離れ離れになり、孤独を感じていた。

ひょんなことから出会ったダッジとペニーは、それぞれの目的のために共に旅に出る。ダッジはペニーの運転で、ペニーがかつて住んでいた場所や、ダッジの昔の恋人の手がかりを求めてアメリカを横断する。終末が迫る中で、最初はぎこちなかった二人の間には、次第に特別な感情が芽生え始める。


キャスト


  • ダッジ・ピーターセン: スティーヴ・カレル
  • ペニー・ワシントン: キーラ・ナイトレイ
  • ドック: ロブ・コードリー
  • ヴェラ: メラニー・リンスキー
  • エルシー: T・J・ミラー
  • カレン: ジリアン・ジェイコブス
  • オリヴィア: デボラ・アン・ウォール
  • スペンサー: パットン・オズワルト
  • ニック: マーク・ウェバー


主題歌


本作には、特定の主題歌というよりは、終末的な状況や二人の感情の変化を彩る様々な楽曲が使用されています。

  • The Walker Brothers - "The Sun Ain't Gonna Shine Anymore"
  • The Cure - "The Lovecats"
  • The Beach Boys - "Wouldn't It Be Nice"
  • R.E.M. - "At My Most Beautiful"
  • Leonard Cohen - "So Long, Marianne"


受賞歴


大きな映画賞での受賞歴はありませんが、インディペンデント系の映画賞などでノミネートされています。


撮影秘話


  • 監督・脚本のローリーン・スカファリアにとって、本作は長編映画監督デビュー作となりました。
  • スティーヴ・カレルとキーラ・ナイトレイという、コメディとドラマの両方で実績のある実力派俳優が共演しています。
  • 終末が迫る世界観でありながら、全体的に温かく、人間ドラマに焦点が当てられた作品です。


感想


『エンド・オブ・ザ・ワールド』は、終末というシリアスな状況を背景に、不器用な男女の間に芽生える愛情を繊細に描いた、少しビターで温かいロマンティック・コメディです。スティーヴ・カレルとキーラ・ナイトレイの演技が素晴らしく、終末に向かう世界の混乱と、二人の内面の変化を丁寧に表現しています。笑いと切なさ、そして希望が入り混じった、独特の余韻を残す作品です。


レビュー


批評家からは、その独特なトーンや、終末という状況下での人間ドラマの描き方について、賛否両論がありました。しかし、主演二人の演技や、終末的な状況でありながらも温かい物語は評価されています。観客からは、その切なさやユーモア、そして感動的なラストに心を打たれたという声が多く聞かれました。


考察


本作は、終末という極限状態において、人間は何を大切にするのか、そしてどのように生きるのかを問いかけています。孤独や喪失感、そして他者との繋がりを求める人間の普遍的な感情が描かれています。また、日常の些細なことの中にこそ、大切なものがあるというメッセージも込められているように感じられます。


ラスト


(ネタバレを含みますのでご注意ください)

ダッジとペニーは、ペニーの家族に会うことはできませんでしたが、旅の途中で様々な人々と出会い、それぞれの過去や感情と向き合います。終末が迫る中、二人の間には深い愛情が育まれます。そして、小惑星マチルダが地球に衝突する瞬間、二人は抱きしめ合い、静かにその時を迎えます。希望に満ちた再会は果たせないものの、孤独だった二人が最期に心の繋がりを見つけたという、切なくも温かいラストとなっています。


視聴できるサイト


2025年4月23日現在、日本国内の主な動画配信サービスでの配信状況は以下の通りです。

配信状況は常に変動するため、最新の情報は各配信サービスでご確認ください。


まとめ


『エンド・オブ・ザ・ワールド』は、終末という非日常的な状況を舞台に、孤独な男女が偶然出会い、心を通わせていく姿を描いた、異色のロマンティック・コメディです。スティーヴ・カレルとキーラ・ナイトレイの繊細な演技、そして終末に向かう世界の描写と、二人の感情の機微が深く心に残る作品です。