『デモニック』
『デモニック』
概要
- 原題: Demonic
- 公開年: 2021年
- 監督: ニール・ブロムカンプ (Neill Blomkamp)
- 脚本: ニール・ブロムカンプ
- 製作: ニール・ブロムカンプ、マイク・ブルーム、シモン・キンバーグ
- ジャンル: ホラー、SF、スリラー
あらすじ
幼い頃から疎遠だった母親キャサリンが、精神病院で昏睡状態にあると知らされたカーリー。彼女は、母親が関与したとされる凄惨な大量殺人事件の真相を探るため、病院を訪れます。そこでカーリーは、母親の精神状態をバーチャルリアリティ(VR)で再現し、患者の意識に入り込むという実験的な治療法を目撃します。
実験に参加したカーリーは、VRの世界で母親の恐ろしい体験を追体験していくうちに、単なる精神的な病ではない、超自然的な存在が事件に関わっていた可能性に気づき始めます。現実とVRの世界が曖昧になる中、カーリーは自身も悪夢のような現象に襲われ、母親を苦しめた悪霊との戦いに巻き込まれていきます。
キャスト
- カーリー・スパーラー: カーリー・ポープ (Carly Pope)
- マーティン: クリス・ウィリアム・マーティン (Chris William Martin)
- ダニエル: マイケル・ロジャース (Michael Rogers)
- キャサリン・イーストン: ナタリー・ボルト (Nathalie Boltt)
- マイケル: テリー・チェン (Terry Chen)
主題歌
映画のサウンドトラックは、オラフル・アルナルズ (Ólafur Arnalds) が作曲しました。特定の主題歌というよりは、不気味で緊張感を高めるスコアが特徴です。
受賞歴
現時点では、『デモニック』が主要な映画賞を受賞したという情報は確認できませんでした。
撮影秘話
- ニール・ブロムカンプ監督は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック中に、限られた予算とクルーで本作を制作しました。
- 撮影はカナダのブリティッシュコロンビア州で行われました。
- VRの世界を表現するために、独特な映像技術が用いられています。
- ブロムカンプ監督は、自身のルーツである低予算のインディペンデント映画のスタイルに戻り、実験的なアプローチで本作を制作したと語っています。
感想
『デモニック』は、VRという現代的な技術と、悪霊憑依という古典的なホラーのテーマを組み合わせた意欲的な作品です。VRの世界の描写は独特で、現実と虚構の境界線を曖昧にする演出は効果的です。しかし、ストーリー展開やキャラクター描写には賛否両論があり、ブロムカンプ監督の過去作と比較すると、物足りなさを感じるという意見もあります。
レビュー
批評家のレビューは賛否が分かれました。VRの視覚効果や、ブロムカンプ監督の独特なスタイルを評価する声がある一方で、プロットの複雑さや、ホラーとしての怖さが不足しているという意見も多く見られました。
考察
『デモニック』は、テクノロジーが人間の精神や超自然的な領域にどのように関わるのか、というテーマを探求しています。VRを通じて母親の意識に入り込むという設定は、現実と虚構、精神と肉体の境界線を曖昧にし、人間の内なる恐怖やトラウマと向き合うことを描いています。また、悪霊の起源や目的についても、従来のホラー映画とは異なる解釈が試みられています。
ラスト
(ネタバレを避けるため、詳細な記述は控えます)
ラストでは、カーリーはVRの世界と現実世界の両方で、悪霊との最終的な対決を迎えます。母親の意識の中で悪魔と対峙し、最終的に悪魔を打ち倒そうとします。しかし、その過程で彼女自身も大きな代償を払うことになります。ラストシーンは、悪魔との戦いの結末と、カーリーの運命を示唆するものとなっています。
視聴できるサイト
2025年4月23日現在、日本では以下の配信サービスで『デモニック』を視聴できる可能性があります。
- Amazon Prime Video
- U-NEXT
- Google Play Movies & TV
- YouTube
配信状況は変更される可能性がありますので、各サービスの最新情報を確認してください。
まとめ
『デモニック』は、ニール・ブロムカンプ監督がVR技術と悪霊憑依というテーマを融合させたホラー映画です。独特な映像表現や実験的な試みは評価される一方で、ストーリー展開やホラーとしての怖さには賛否両論があります。VRとホラーの組み合わせに興味がある方や、ブロムカンプ監督の新たな挑戦を見たい方におすすめの作品です。