『ギヴァー 記憶を注ぐ者』
『ギヴァー 記憶を注ぐ者』
概要
- 原題: The Giver
- 製作年: 2014年
- 製作国: アメリカ合衆国
- 監督: フィリップ・ノイス
- 脚本: マイケル・ミトニック、ロバート・B・ウィード
- 原作: ロイス・ローリー著『ザ・ギバー 記憶を伝える者』
- ジャンル: SF、ドラマ、アドベンチャー
- 上映時間: 97分
あらすじ
未来。人類は争いや苦痛のない、完全に平等な社会を作り上げた。そこでは感情は薬で抑制され、過去の記憶は消去され、人々は定められた役割に従って生きている。18歳になったジョナス(ブレントン・スウェイツ)は、コミュニティの歴史と記憶を受け継ぐ「記憶を受け継ぐ者(Receiver)」に選ばれる。
彼は、全ての記憶を持つ唯一の人物である「記憶を注ぐ者(The Giver)」(ジェフ・ブリッジス)から、喜び、悲しみ、愛、痛み、戦争など、過去のあらゆる感情や出来事を伝えられる。記憶を通して初めて感情や色彩、多様性を知ったジョナスは、現在の社会のあり方に疑問を抱き始める。やがて彼は、コミュニティの平和の裏に隠された暗い秘密を知り、社会を変えるための行動を起こすことを決意する。
キャスト
- ジョナス: ブレントン・スウェイツ
- 記憶を注ぐ者(ギヴァー): ジェフ・ブリッジス
- 主席長老: メリル・ストリープ
- ジョナスの父: アレクサンダー・スカルスガルド
- ジョナスの母: ケイティ・ホームズ
- フィオナ: オデイア・ラッシュ
- アッシャー: キャメロン・モナハン
- ローズマリー: テイラー・スウィフト(出演シーンは少ない)
主題歌
映画の公式な主題歌に関する情報は特にありません。マルコ・ベルトラミが作曲した劇伴音楽が、物語の感情や世界観を表現しています。
受賞歴
- ティーン・チョイス・アワード2014:
- Choice Movie: Sci-Fi/Fantasy(ノミネート)
- Choice Movie Actor: Sci-Fi/Fantasy(ブレントン・スウェイツ)(ノミネート)
- Choice Movie Actress: Sci-Fi/Fantasy(オデイア・ラッシュ)(ノミネート)
撮影秘話
- 原作の出版から映画化まで長い年月を要しました。ジェフ・ブリッジスは1990年代から映画化を熱望していました。
- 映画は南アフリカ共和国で主に撮影されました。
- 意図的にモノクロームに近い映像で始まり、ジョナスが記憶を受け継ぐにつれて色彩が豊かになっていく演出が特徴的です。
- テイラー・スウィフトは、記憶を注ぐ者の娘であるローズマリー役で出演しています。
感想
原作の持つ深遠なテーマを、視覚的に美しい映像で表現しようとした意欲的な作品です。感情のない管理社会と、記憶を通して感情を知っていく主人公の葛藤が丁寧に描かれています。ジェフ・ブリッジスとブレントン・スウェイツの演技は高く評価されています。一方で、原作の複雑な設定やテーマを97分という上映時間で描ききれていないという意見もあります。
レビュー
批評家の間では評価が分かれました。映像美や俳優の演技は評価されたものの、物語の展開や原作からの変更点については賛否がありました。観客からは、SF的な設定と人間ドラマのバランスが取れた作品として一定の評価を得ています。
考察
『ギヴァー 記憶を注ぐ者』は、記憶、感情、自由、個性、そして社会のあり方について深く考えさせられる作品です。感情を抑制し、過去を消去することで平和を保とうとする社会の危うさや、記憶を持つことの重要性、個人の選択の自由の大切さを問いかけています。また、若者が社会の矛盾に気づき、変化を起こそうとする姿を描いた成長物語としても捉えられます。
ラスト
(ネタバレを含みますのでご注意ください)
ジョナスは、コミュニティが「解放」と呼ぶ安楽死の真実を知り、記憶と感情を取り戻すことを決意します。彼は、生まれて間もないガブリエルと共にコミュニティからの脱出を試み、厳しい自然の中を旅します。
疲労困憊し、希望を失いかける中、ジョナスは記憶を通して聞いた音楽のような音を感じ、雪の中で光る家を見つけます。映画のラストは、その家が過去の記憶の中の幸せな場所なのか、それとも現実の安息の地なのか、明確には示されていません。ジョナスが希望を見出したことを示唆する形で終わります。
視聴できるサイト
2025年4月23日現在、日本では以下の配信サービスで『ギヴァー 記憶を注ぐ者』を視聴できる可能性があります。
- Amazon Prime Video
- U-NEXT
- Hulu
- Google Play Movies & TV
- YouTube
配信状況は変更される可能性がありますので、各サービスの最新情報を確認してください。
まとめ
『ギヴァー 記憶を注ぐ者』は、管理された未来社会を舞台に、記憶を受け継いだ少年が真実を知り、自由と感情を取り戻そうとする物語です。ジェフ・ブリッジス、メリル・ストリープら豪華キャストの演技と、印象的な映像が魅力のSFドラマです。原作の持つ深いテーマはそのままに、映画ならではの表現で観る者の心に問いかけます。
*わたしが観たことを思い出すまとめ*
街の住人たちは、薬によって記憶や感情をコントロールされています。
数人は、記憶を継ぐ者として過去や感情、音を覚えておく役目を担っています。
仕事が与えられる日、ジョナスが記憶を継ぐ者に選ばれます。
記憶を取り戻すにつれて、モノクロからカラフルな映像になり音楽も感情も取り戻していきます。
解放という名の安楽死から、赤ちゃんを救い出し共に皆の記憶を取り戻すため境界線を越える逃亡をします。
境界線を越え、街のみんなが本当の意味で解放されました。
境界線を越えた先には、暖かそうなログハウスがありました。