『ドラゴン・タトゥーの女』





概要


  • 原題: The Girl with the Dragon Tattoo
  • 邦題: ドラゴン・タトゥーの女
  • 公開年: 2011年(日本公開は2012年)
  • 監督: デヴィッド・フィンチャー
  • 脚本: スティーヴン・ザイリアン
  • 原作: スティーグ・ラーソン『ミレニアム』シリーズ1作目『ドラゴン・タトゥーの女』
  • 製作: ソロン・スターモス、オーレ・センドバル
  • ジャンル: ミステリー、サスペンス、スリラー


あらすじ


ジャーナリストのミカエル・ブルムクヴィストは、大物実業家の不正を告発する記事を書いたことで名誉毀損裁判に敗訴し、失意の日々を送っていた。そんな彼のもとに、スウェーデンの大富豪ヘンリック・ヴァンゲルから、40年前に失踪した姪ハリエットの調査依頼が舞い込む。見返りに、ミカエルの名誉を回復させる証拠を提供すると約束されたミカエルは、ヴァンゲル一族が住む孤島で調査を開始する。

ハリエット失踪の謎を追ううちに、ミカエルはヴァンゲル一族の複雑な人間関係と、隠された暗い過去に気づき始める。調査は難航するが、彼は並外れたハッキング能力を持つパンクファッションの女性リスベット・サランデルの協力を得る。

リスベットの驚異的な情報収集能力と、ミカエルのジャーナリストとしての洞察力によって、二人は事件の深層に迫っていく。やがて、ハリエット失踪事件は、過去の猟奇的な連続殺人事件と深く関わっていることが明らかになる。


キャスト


  • リスベット・サランデル: ルーニー・マーラ
  • ミカエル・ブルムクヴィスト: ダニエル・クレイグ
  • ヘンリック・ヴァンゲル: クリストファー・プラマー
  • マルティン・ヴァンゲル: ステラン・スカルスガルド
  • エリカ・ベルジェ: ロビン・ライト
  • ニルス・ビュルマン: ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン
  • フロデ・サンデルス: スティーヴン・バーコフ
  • グンナー・ニルソン: クリストファー・メローニ
  • セシリア・ヴァンゲル: ジェラルディン・ジェームズ


主題歌


映画のオープニングタイトルでは、カレンO、トレント・レズナー&アッティカス・ロスによるレッド・ツェッペリンのカバー曲「Immigrant Song」が使用されています。


受賞歴


  • 第84回アカデミー賞: 編集賞 受賞
  • 英国アカデミー賞 (BAFTA): 撮影賞、編集賞 ノミネート
  • ゴールデングローブ賞: 主演女優賞(ドラマ部門)(ルーニー・マーラ) ノミネート


撮影秘話


  • 監督のデヴィッド・フィンチャーは、原作の持つダークで陰鬱な雰囲気を忠実に再現するため、スウェーデンの寒冷な気候の中でロケーション撮影を敢行しました。
  • リスベット役のルーニー・マーラは、役作りのために髪を剃り、眉を脱色し、複数のピアスを開けるなど、徹底的なイメージチェンジを行いました。
  • 映画の過激な暴力描写や性描写は、原作の持つテーマを反映したものであり、賛否両論を呼びました。
  • オープニングタイトルの映像は、インダストリアルな音楽とスタイリッシュな映像が融合し、映画の独特な世界観を表現しています。


感想


デヴィッド・フィンチャー監督らしい、重厚な雰囲気とスリリングな展開が魅力の作品です。ルーニー・マーラの演じるリスベットの強烈な存在感と、ダニエル・クレイグの演じるミカエルの実直さが、複雑な事件の真相に迫る過程を напряженно 描いています。原作の持つ社会的なテーマや、人間の心の闇も深く掘り下げられており、単なるミステリー映画としてだけでなく、見応えのあるドラマとしても高く評価されています。


レビュー


批評家からは、フィンチャー監督の演出、ルーニー・マーラの演技、そして原作の持つ複雑なストーリーを忠実に再現した脚本が高く評価されました。一方で、原作の持つ過激な描写は、一部の観客には受け入れられにくいという意見もありました。


考察


  • この映画は、富裕層に隠された犯罪や、社会の暗部を描いています。
  • 女性に対する暴力や虐待といった、原作が持つ重要なテーマも深く掘り下げられています。
  • リスベット・サランデルというキャラクターは、過去のトラウマを抱えながらも、自身の力で困難を乗り越えようとする強い女性として描かれています。
  • ジャーナリズムの役割や、真実を追求することの重要性も示唆されています。


ラスト


(ネタバレを含みます)

事件の真相を解明したミカエルとリスベットは、ヴァンゲル一族の長年の秘密を暴き、ハリエット失踪事件に隠された恐ろしい真実を公にします。事件は解決を迎えるものの、リスベットはミカエルに対して複雑な感情を抱きながら、彼の元を去ります。

ラストシーンでは、ミカエルに送るはずだったプレゼントを一人見つめるリスベットの姿が描かれ、彼女の孤独と切なさが際立ちます。


視聴できるサイト


(配信状況は常に変動するため、詳細は各配信サービスをご確認ください)


まとめ


映画『ドラゴン・タトゥーの女』(2011)は、デヴィッド・フィンチャー監督が、スティーグ・ラーソンのベストセラー小説を映画化した、重厚でスリリングなミステリーサスペンスです。ルーニー・マーラとダニエル・クレイグの演技、そして原作の持つダークな世界観が見事に映像化されており、見応えのある作品となっています。