『スナッチ』
『スナッチ』
概要
- 原題: Snatch
- 邦題: スナッチ
- 公開年: 2000年(イギリス)、2001年(日本)
- 監督: ガイ・リッチー
- 脚本: ガイ・リッチー
- 製作: マシュー・ヴォーン
- ジャンル: クライム・コメディ
あらすじ
ロンドンの裏社会を舞台に、2つの並行した物語が予測不可能な展開を見せるクライム・コメディ。
一つは、盗まれた巨大なダイヤモンドを巡る騒動。フランキー・フォー・フィンガーズという宝石泥棒が、86カラットのダイヤモンドをアントワープからニューヨークへ運ぶ途中でロンドンに立ち寄るが、そこで罠にかけられダイヤモンドを奪われてしまう。様々なギャングたちが入り乱れ、ダイヤモンドの行方を追う。
もう一つは、場違いなボクシング・プロモーターのターキッシュとその相棒トミーが、裏社会のボスであるブリック・トップに巻き込まれる物語。彼らは、八百長試合を計画するが、思わぬ事態からルール無用の戦いに発展していく。
二つの物語は、やがて交錯し、予測不能な結末へと向かう。
キャスト
- ターキッシュ: ジェイソン・ステイサム
- トミー: スティーヴン・グラハム
- フランキー・フォー・フィンガーズ: ベニチオ・デル・トロ
- ブリック・トップ・プルフォード: アラン・フォード
- ボーリス・“ザ・ブレード”・ユリノフ: ラデ・シェルベッジア
- ダグ・“ザ・ヘッド”・デナム: マイク・リード
- ソル: アデ
- ヴィニー: ロビー・ギー
- タイロン: イアン・フリーマン
- アブラハム・“エイブ”・デンコビッツ: デニス・ファリーナ
- ロン・“ロニー”・ジョン: ヴィニー・ジョーンズ
- 無名の男(バレット・トゥース・トニー): ヴィニー・ジョーンズ(二役)
- ミア・ウォレス(声のみの出演): ユマ・サーマン(クレジットなし)
- マイク・タイソン: 本人(カメオ出演)
主題歌
本作は、特定の主題歌というよりは、様々なジャンルの印象的な楽曲がサウンドトラックに使用されています。
- "Diamond" - Klint
- "Golden Brown" - The Stranglers
- "Here Comes the Rain Again" - Eurythmics
- "Supermoves" - The Beta Band
- "Hernando's Hideaway" - Johnston, Holland, & The Mighty Gs
- "Don't You Just Know It" - Huey 'Piano' Smith & The Clowns
- "Rock the Casbah" - The Clash
- "Disco 2000" - Pulp
- "Angel" - Massive Attack
- "Lucky Star" - Madonna
- "Back in Time" - Apollo 440
受賞歴
- エンパイア賞:
- Best British Director (ガイ・リッチー) 受賞
- Best British Film ノミネート
- Best Actor (ベニチオ・デル・トロ) ノミネート
- 英国インディペンデント映画賞:
- Best Director (ガイ・リッチー) ノミネート
- Best Screenplay (ガイ・リッチー) ノミネート
- Best Technical Achievement (ニッキー・バード - 編集) 受賞
- サテライト賞:
- Best Film, Comedy or Musical ノミネート
- Best Actor in a Motion Picture, Comedy or Musical (ベニチオ・デル・トロ) ノミネート
撮影秘話
- ガイ・リッチー監督の長編2作目であり、前作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』に続くクライム・コメディです。
- ロンドンのイーストエンドを中心に撮影が行われ、独特のローカルな雰囲気が捉えられています。
- 俳優陣は、アメリカとイギリスの個性的なキャストが集結しました。
- ジェイソン・ステイサムは、本作でブレイクを果たしました。
- カメラワーク、編集、音楽の使い方が非常にスタイリッシュで、ガイ・リッチー監督の個性が際立っています。
- セリフ回しが独特で、早口でユーモアに富んだ会話劇が展開されます。
感想
『スナッチ』は、スピーディーな展開、予測不可能なストーリー、そして個性豊かなキャラクターたちが魅力的なクライム・コメディです。スタイリッシュな映像と音楽、ユーモア溢れるセリフ回しは、観る者を飽きさせません。複数の物語が絡み合いながら進行していく構成も見どころです。
レビュー
批評家からも観客からも高い評価を得ています。特に、ガイ・リッチー監督の演出、脚本、そしてキャストの演技が絶賛されました。その斬新なスタイルは、多くのフォロワーを生み出しました。
考察
- 本作は、裏社会の人間模様をコミカルかつスタイリッシュに描いています。
- 欲望、裏切り、偶然といった要素が複雑に絡み合い、予測不可能な展開を生み出します。
- 登場人物たちの滑稽な行動や、ブラックユーモアに満ちた会話は、人間の愚かさや滑稽さを浮き彫りにしています。
- 犬(ブルテリア)の存在も重要な要素であり、物語のキーとなる場面に登場します。
ラスト
(ネタバレを含みます)
騒動の末、ダイヤモンドは犬(タイロン)が飲み込んでしまい、行方不明となります。
ターキッシュとトミーは、ブリック・トップとの因縁を断ち切り、ミッキー・オニールと共に新たな生活を始めることを示唆するラストで幕を閉じます。
ダイヤモンドの行方は曖昧なまま終わりますが、登場人物たちのそれぞれの戦いが一段落し、新たな始まりを感じさせる終わり方です。
視聴できるサイト
- Amazon Prime Video
- U-NEXT
- Hulu
- Netflix (配信状況は時期によって変動する可能性があります)
- Google Play
- YouTube
まとめ
『スナッチ』は、ガイ・リッチー監督の代表作の一つであり、クライム・コメディの傑作として広く知られています。スタイリッシュな映像、ユーモア、そして予測不可能な展開は、一度見たら忘れられないインパクトを与えます。クライム映画ファンはもちろん、そうでない人も楽しめるエンターテイメント作品です。