『ベイビー・ドライバー』





概要


  • 原題: Baby Driver
  • 邦題: ベイビー・ドライバー
  • 公開年: 2017年
  • 監督: エドガー・ライト
  • 脚本: エドガー・ライト
  • 製作: ニラ・パーク、エドガー・ライト、ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー
  • ジャンル: アクション、クライム、コメディ、音楽


あらすじ


天才的なドライビングテクニックを持つ若き逃がし屋“ベイビー”。彼は幼い頃の交通事故が原因で耳鳴りが止まらず、常にイヤホンで音楽を聴きながら生活している。その音楽のリズムに合わせて完璧なドライビングをこなし、犯罪組織の逃走を請け負う日々を送っていた。

足を洗いたいと願うベイビーは、ウェイトレスのデボラと出会い恋に落ちる。犯罪組織のボスであるドクから「最後の仕事」を依頼されたベイビーは、デボラとの新しい生活のためにそれを引き受ける。しかし、その仕事は予想外の危険と狂気に満ちており、ベイビーは愛する人を守るため、自身の運命と戦うことになる。


キャスト


  • ベイビー (マイルズ・コーベット): アンセル・エルゴート
  • デボラ: リリー・ジェームズ
  • ドク: ケヴィン・スペイシー
  • バッツ: ジェイミー・フォックス
  • ダーリン: エイザ・ゴンザレス
  • バディ: ジョン・ハム
  • グリフ: スカイ・フェレイラ
  • ジョセフ: CJ・ジョーンズ


主題歌


『ベイビー・ドライバー』は、全編にわたって音楽が重要な役割を果たしており、特定の主題歌というよりは、様々なジャンルの楽曲がシーンを彩っています。カーチェイス、アクション、ロマンスなど、各シーンの展開に合わせて選曲されたプレイリストのような構成が特徴です。

代表的な楽曲の一部:

  • Bell Bottoms - The Jon Spencer Blues Explosion
  • Harlem Shuffle - Bob & Earl
  • Tequila - The Champs
  • Debra - Beck
  • Nowhere to Run - Martha Reeves & The Vandellas
  • Baby - Carla Thomas
  • Easy - The Commodores
  • Brighton Rock - Queen


受賞歴


  • アカデミー賞:
    • 編集賞 ノミネート
    • 音響編集賞 ノミネート
    • 録音賞 ノミネート
  • 英国アカデミー賞 (BAFTA):
    • 編集賞 受賞
    • 音響賞 受賞
    • 監督賞 ノミネート
    • オリジナル脚本賞 ノミネート
    • 主演男優賞 (アンセル・エルゴート) ノミネート
  • ゴールデングローブ賞:
    • 主演男優賞 - ミュージカル/コメディ部門 (アンセル・エルゴート) ノミネート
  • エンパイア賞:
    • 監督賞 受賞
    • 男優賞 (アンセル・エルゴート) 受賞
    • 作品賞 ノミネート
  • その他、多くの映画批評家協会賞などで受賞・ノミネートされています。


撮影秘話


  • エドガー・ライト監督は、本作のアイデアを20年以上前から温めており、音楽に合わせてアクションシーンを構成するという独特な演出を構想していました。
  • 撮影前に、主要なアクションシーンで使用する楽曲を決定し、そのリズムやテンポに合わせてカメラワークや役者の動きを細かく調整しました。
  • アンセル・エルゴートは、撮影前にドライビングテクニックの訓練を受けました。
  • カーチェイスシーンは、CGを最小限に抑え、実際にアトランタの街中で撮影されました。
  • 音楽著作権のクリアランスには多大な時間を要したと言われています。


感想


『ベイビー・ドライバー』は、音楽と映像が完璧にシンクロした、他に類を見ないスタイリッシュなアクション映画です。音楽のリズムに合わせて展開するカーチェイスシーンは圧巻で、観る者を興奮の渦に巻き込みます。単なるアクション映画に留まらず、ベイビーとデボラの純粋なラブストーリーや、個性豊かな犯罪者たちの人間ドラマも魅力的に描かれています。エドガー・ライト監督のセンスが光る、中毒性の高い作品です。


レビュー


批評家からは絶賛の声が多く寄せられました。斬新な演出、スタイリッシュな映像、迫力満点のアクション、そしてアンセル・エルゴートをはじめとするキャストの魅力的な演技が高く評価されています。音楽の使い方も革新的であると評されました。


考察


  • 音楽の役割: 本作において音楽は単なるBGMではなく、物語を推進し、キャラクターの感情を表現する重要な要素です。ベイビーにとって音楽は、耳鳴りを打ち消し、世界と繋がるための手段であり、彼の行動原理そのものです。
  • ジャンルの融合: アクション、クライム、コメディ、ロマンス、音楽といった複数のジャンルを巧みに融合させており、それぞれの要素が効果的に作用しています。
  • 視覚的な演出: エドガー・ライト監督の独特な映像センスが光っており、カメラワーク、編集、色彩などが音楽と一体となって、他にない映画体験を生み出しています。
  • キャラクターの魅力: 主人公のベイビーをはじめ、登場するキャラクターたちが個性的で魅力的です。彼らの過去や動機が垣間見えることで、物語に深みが増しています。


ラスト


(ネタバレを含みますのでご注意ください)

最後の激しい銃撃戦の後、ベイビーは逮捕され服役します。刑期を終えたベイビーは、デボラの元に戻り、二人は再び共に歩み始めます。ラストシーンでは、ベイビーが運転する車の中で、二人が幸せそうに音楽を聴いている様子が描かれます。このラストは、ベイビーが過去の罪を償い、愛する人と共に新たな人生を歩む希望を示唆しています。


視聴できるサイト


  • Amazon Prime Video
  • U-NEXT
  • Hulu
  • Netflix (配信状況は変更される場合があります)
  • Google Play Movies & TV
  • YouTube Movies


まとめ


『ベイビー・ドライバー』は、音楽とアクションが融合した、革新的でスタイリッシュな映画です。エドガー・ライト監督の才能が遺憾なく発揮され、アンセル・エルゴートをはじめとするキャストの魅力的な演技も光ります。爽快なアクションと心温まるロマンス、そして中毒性のある音楽体験は、一度見たら忘れられないでしょう。ぜひ、イヤホンやヘッドホンで最高の音響環境で鑑賞することをおすすめします。