『インシディアス 赤い扉』
『インシディアス 赤い扉』
概要
- 原題: Insidious: The Red Door
- 公開年: 2023年
- 監督: パトリック・ウィルソン (監督デビュー作)
- 脚本: スコット・ティームズ
- ストーリー: リー・ワネル、スコット・ティームズ
- 製作: ジェイソン・ブラム、オーレン・ペリ、ジェームズ・ワン、リー・ワネル
- ジャンル: ホラー、スリラー、ミステリー
あらすじ
『インシディアス 赤い扉』は、『インシディアス』シリーズの第5作であり、時系列上は第2作『インシディアス 第2章』の10年後を描いています。
幼い頃に異次元<The Further>との繋がりを持ち、恐ろしい体験をしたジョシュ・ランバート(パトリック・ウィルソン)と息子ダルトン(タイ・シンプキンス)。彼らは過去の記憶を封印するために催眠療法を受けますが、10年後、大学生になったダルトンが再び奇妙な現象に悩まされ始めます。
ダルトンの芸術教師の勧めで、彼は自身の潜在意識を探るアートセラピーに取り組むうちに、封印されていた過去の悪夢が蘇り始めます。同時に、ジョシュもまた、過去に体験した恐ろしい出来事の断片的な記憶に苦しめられます。
彼らは、自分たちの家族を苦しめてきた悪夢のような存在を永遠に終わらせるため、再び危険な異次元<The Further>へと深く立ち向かうことを決意します。赤い扉の向こうには、彼らの家族の暗い過去と、これまで以上に恐ろしい新たな恐怖が待ち受けていました。
キャスト
- ジョシュ・ランバート:パトリック・ウィルソン
- ダルトン・ランバート:タイ・シンプキンス
- ルネ・ランバート:ローズ・バーン
- クリス・ウィンズロー:シンクレア・ダニエル
- アルマガン教授:ヒアム・アッバス
- フォスター・ランバート:アンドリュー・アスター
- カリスト・ランバート:ジュリアナ・デイビーズ
- カール:スティーヴ・コールター
- ニック・ザ・ディック:ピーター・デイガー
- ベンの霊/スマッシュ・フェイス:デイビット・コール
- 若いダルトン/若いジョシュ:カシアン・ウィルソン
- エリーズ・レイニア(声):リン・シェイ
主題歌
シリーズを通して、音楽はジョセフ・ビシャラが担当しており、本作でも不気味な雰囲気を盛り上げる楽曲が使用されています。
受賞歴
- ノミネート: 第51回サターン賞 ベストホラーフィルム
撮影秘話
- 本作は、シリーズの1作目と2作目で主演を務めたパトリック・ウィルソンの監督デビュー作です。彼は、俳優としての経験を活かし、恐怖演出だけでなく、家族の感情的なドラマにも力を入れたとされています。
- タイ・シンプキンスとパトリック・ウィルソンは、それぞれ大人になったダルトンとジョシュを再び演じ、シリーズファンにとっては感慨深いものがあります。
- 撮影は、シリーズの特徴である不気味な異次元<The Further>の描写に、新たな視覚効果や美術デザインが取り入れられたとされています。
感想
『インシディアス 赤い扉』は、シリーズのファンにとっては待望の続編であり、ランバート一家の物語に一つの区切りをつける作品となっています。監督が前作までの出演者であるパトリック・ウィルソンということもあり、シリーズのトーンやキャラクターへの理解が深く、過去作の要素を巧みに活かしながら、新たな恐怖を描き出しています。
成長したダルトンが抱えるトラウマや、父親ジョシュとの関係性の変化など、ホラー要素だけでなく、家族のドラマにも焦点が当てられており、より感情的な深みが増しています。
レビュー
批評家からの評価は 賛否両論です。シリーズのファンからは、懐かしいキャラクターたちの再登場や、物語の結末に感動したという声がある一方、新たな恐怖の描写やストーリー展開には物足りなさを感じたという意見もあります。
観客からは、シリーズならではの不気味な雰囲気や、効果的なジャンプスケア、そしてランバート一家の物語の完結を楽しんだという声が多く聞かれます。
考察
『インシディアス 赤い扉』は、以下のテーマについて考察することができます。
- トラウマの再発と克服: 過去の恐ろしい体験は、時間が経っても人々の心に深い傷跡を残し、予期せぬ形で再発する可能性があります。本作では、ダルトンとジョシュが再び過去のトラウマと向き合い、それを克服しようとする姿が描かれています。
- 記憶と潜在意識: 催眠療法によって封印された記憶は、完全に消え去るわけではなく、潜在意識の中に潜んでいます。アートセラピーを通じて、ダルトンは自身の潜在意識に眠る恐怖と対峙することになります。
- 家族の絆: 過去の苦難を乗り越えてきたランバート一家の絆は、本作でも重要な要素となっています。再び危機に瀕した家族が、互いを守り、支え合いながら恐怖に立ち向かう姿は、感動を呼びます。
- 世代間の影響: ジョシュが子供の頃に経験した出来事が、ダルトンにも影響を与えていることが示唆されています。過去の世代の経験が、どのように次の世代に受け継がれていくのかというテーマも垣間見えます。
ラスト
(ここからネタバレを含みますのでご注意ください)
映画のラストでは、ジョシュは再び<The Further>へと旅立ち、ダルトンを救い出します。彼らは、赤い扉の向こうに潜む悪霊との最終的な対決に挑み、辛くも勝利します。
ダルトンは、自身の能力を受け入れ、恐怖を克服する決意を新たにします。ジョシュもまた、過去のトラウマと向き合い、家族との関係を修復しようとします。
最終的に、赤い扉は閉じられ、ランバート一家は、過去の悪夢から解放され、新たな未来へと歩み始めることを示唆する形で物語は幕を閉じます。しかし、完全に恐怖が消え去ったわけではないことを暗示するような、わずかな不穏な要素も残されています。
視聴できるサイト
まとめ
『インシディアス 赤い扉』は、シリーズのファンにとって必見の作品であり、ランバート一家の物語に感情的な結末をもたらします。過去作の要素を受け継ぎつつ、新たな恐怖と家族の絆を描き出し、観客に深い印象を与えるホラー映画です。