『ブライトバーン/恐怖の拡散者』





概要


  • 原題: Brightburn
  • 公開年: 2019年
  • 監督: デヴィッド・ヤロヴェスキー
  • 製作: ジェームズ・ガン、ケネス・ファン
  • 脚本: ブライアン・ガン、マーク・ガン
  • ジャンル: ホラー、SF、スーパーヒーロー


あらすじ


カンザスの田舎町ブライトバーン。ある夜、トリとカイル・ブライヤー夫妻の農場に謎の宇宙船が墜落し、中から人間の赤ん坊が見つかる。ブランドンと名付けられ、愛情深く育てられた彼は、12歳を迎える頃から驚異的な力と知性を発揮し始める。

当初は両親も息子の才能に喜びを感じていたが、ブランドンの行動は次第に常軌を逸脱していく。彼の内なる暗い衝動が目覚め、周囲の人々を恐怖に陥れる存在へと変貌していく。スーパーマンのオリジンをホラーとして再構築した、衝撃的な物語。


キャスト


  • ブランドン・ブライヤー: ジャクソン・A・ダン
  • トリ・ブライヤー: エリザベス・バンクス
  • カイル・ブライヤー: デヴィッド・デンマン
  • ノア・マクナルティ: マット・ジョーンズ
  • エリカ・コナーズ: メレディス・ハグナー


主題歌


  • 特定の主題歌という位置づけの楽曲はありませんが、クリス・ベラスコの作曲による不穏で緊張感を煽るスコアが全編を彩っています。


受賞歴


  • ブラッドガット映画祭:
    • Best Film ノミネート
    • Best Director (デヴィッド・ヤロヴェスキー) ノミネート
    • Best Actor (ジャクソン・A・ダン) ノミネート


撮影秘話


  • 本作は、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズなどで知られるジェームズ・ガンが製作を務めており、その独特なセンスがホラーというジャンルに活かされています。
  • 監督のデヴィッド・ヤロヴェスキーは、スーパーヒーローの力を残酷な方向へ転用するというコンセプトを、容赦のない描写で映像化しました。
  • ブランドンの特殊メイクや、彼の超能力による破壊の描写には、ゴア表現も含まれており、R指定となっています。
  • 主演のジャクソン・A・ダンは、無邪気な少年から冷酷な殺人鬼へと変貌していくブランドンを見事に演じきり、高い評価を得ました。


感想


『ブライトバーン/恐怖の拡散者』は、スーパーヒーローの物語を全く新しい視点から描いた、衝撃的なホラー映画です。もしスーパーマンが悪意を持ったらどうなるのか?という問いを、容赦のない暴力描写と不気味な雰囲気で描き出しています。善意の象徴であるはずのスーパーヒーローが、恐怖の存在へと変貌していく過程は、観る者に強烈な印象を与えます。


レビュー


批評家からの評価は賛否両論ありましたが、その斬新なコンセプトと容赦のないホラー描写は、多くの観客に衝撃を与えました。スーパーヒーロー映画の既成概念を覆す作品として、一定の評価を得ています。


考察


  • 本作は、絶対的な力を持つ存在が、道徳観念を欠いた場合に何を引き起こすのかという根源的な問いを投げかけています。
  • 育ての親の愛情が、生まれ持った悪意を抑えきれないという悲劇的な構図は、人間の本質や環境の影響について考えさせられます。
  • スーパーヒーローというジャンルをホラーと融合させることで、新たな可能性を示唆しています。


ラスト


ブランドンは、実の両親からのメッセージを受け取り、自身の使命を自覚します。彼は、故郷の町を破壊し、抵抗する人々を次々と殺害していきます。

映画のラストシーンでは、ブランドンが空を飛び回り、世界各地で破壊行為を繰り返す様子がニュース映像で示唆され、絶望的な結末を迎えます。


視聴できるサイト



まとめ


『ブライトバーン/恐怖の拡散者』は、スーパーヒーローの概念を覆す、異色のホラー映画です。容赦のない暴力描写と、子供の姿をした悪魔というアンバランスさが、独特の恐怖を生み出しています。スーパーヒーロー映画の新たな可能性を示すと同時に、倫理観なき力の恐ろしさを強烈に描き出した作品と言えるでしょう。