『ザ・ビースト』
映画『ザ・ビースト』(原題:Primal)
概要
- 原題: Primal
- 邦題: ザ・ビースト
- 公開年: 2020年(日本公開。アメリカでは2019年公開)
- 製作国: アメリカ
- 監督: ニコラス・パウエル
- 脚本: リチャード・ローウェンスタイン
- ジャンル: アクション、スリラー、アドベンチャー
- 上映時間: 97分
あらすじ
百戦錬磨の猛獣ハンター、フランク・ウォルシュ(ニコラス・ケイジ)は、ブラジルの奥地で生け捕りにした獰猛な白いジャガーを、他の危険な野生動物たちと共に貨物船「ミマー号」に乗せてアメリカへと輸送していました。しかし、その船には、密かに護送されていた史上最悪の冷酷な《殺人鬼テロリスト》であるリチャード・ランガー(ケヴィン・デュランド)も乗船していました。
カリブ海を航行中、突如としてランガーが船倉の檻から脱走し、さらに彼の手によって白いジャガーも檻から解き放たれてしまいます。逃げ場のない船内は、瞬く間に《狩猟場》と化し、次々と乗員たちが襲われていきます。
フランクは、軍の医師エレン・テイラー(ファムケ・ヤンセン)らと共に、暴れるジャガーと、残忍なテロリスト、ランガーの両方から身を守り、船の制圧を目指します。武器は限られ、地形は閉鎖的。フランクは、猛獣ハンターとしての経験とスキルを駆使し、船という極限の状況で最凶の獲物たちを仕留められるのか、そして生存者は無事に船から脱出できるのか、壮絶なサバイバルが繰り広げられます。
キャスト
- フランク・ウォルシュ: ニコラス・ケイジ
- エレン・テイラー: ファムケ・ヤンセン
- リチャード・ランガー: ケヴィン・デュランド
- ジョン・リッキー: マイケル・インペリオリ
- ドミニク: ラモナ・アリーナ
主題歌・楽曲
この映画の明確な主題歌の情報は見当たりませんでした。アクションスリラーとしての緊迫感を高めるためのスコアが中心となっています。
受賞歴
主要な映画賞の受賞歴は確認できませんでした。
撮影秘話
- 映画の主な撮影は、プエルトリコで行われました。熱帯の気候と自然が、カリブ海の雰囲気を出すのに貢献しています。
- 白いジャガーは、CGとアニマトロニクス(機械仕掛けの動物模型)を組み合わせて表現されています。特に白いジャガーのビジュアルは、視覚的なインパクトを狙ったものと考えられます。
- ニコラス・ケイジは、猛獣ハンターという役どころのため、動物の扱いやサバイバルスキルに関する役作りを行ったと推測されます。
感想
『ザ・ビースト』は、ニコラス・ケイジ主演のB級アクションスリラーとして、そのジャンルを楽しむ観客には受け入れられる作品です。船という密室空間で、人喰いジャガーと凶悪なテロリストという二重の脅威に晒されるという設定はユニークです。ニコラス・ケイジはいつものように個性的な演技を見せ、彼のファンにとっては見どころとなるでしょう。しかし、プロットの深さやリアリティよりも、過激なアクションと奇抜な設定を重視する傾向があります。
レビュー
批評家からのレビューは概ね低評価でした。ストーリーの陳腐さ、キャラクターの薄さ、そしてVFXのクオリティなどが批判の対象となりました。Rotten Tomatoesでは低評価となっており、一部のファンからは「カルト的な魅力がある」という評価もありますが、広く絶賛された作品ではありません。
考察
本作は、人間と動物、そして人間同士の「プリミティブ(原始的)」な本能的な戦いを描いていると考察できます。人間が作り出した危険な捕食動物と、人間の中にある最も残忍な部分であるテロリストが、閉鎖空間で解き放たれることで、極限状況におけるサバイバルと倫理の崩壊が描かれます。フランクが猛獣ハンターであるという設定は、彼が人間社会のルールではなく、自然界の「狩るか狩られるか」という原理で行動する存在であることを強調しているとも言えます。
ラスト
(ネタバレを含みます)
壮絶な戦いの末、フランク・ウォルシュは、白いジャガーとテロリストのリチャード・ランガーの両方を仕留めることに成功します。船は破壊され、多くの犠牲者が出ますが、フランクとエレン・テイラーは生き残り、ヘリコプターで救助されます。フランクは、ジャガーとの戦い、そしてランガーとの直接対決を経て、自身の「ハンター」としての本能を最大限に発揮し、生き残ったことを示唆する結末となります。
視聴できるサイト
- Amazon Prime Video
- U-NEXT
- Hulu
- Google Play Movies & TV
- YouTube Movies
これらのサービスでは、レンタルまたは購入での視聴が可能です。具体的な配信状況は、各プラットフォームでご確認ください。
まとめ
映画『ザ・ビースト』(原題:Primal)は、2019年製作(日本公開2020年)のアメリカ製アクション・スリラーです。ニコラス・ケイジ演じる猛獣ハンターが、貨物船という閉鎖空間で、脱走した凶暴な白いジャガーと、最凶のテロリストという二重の脅威に立ち向かう物語です。B級映画としての要素が強く、設定の奇抜さとニコラス・ケイジの個性的な演技が特徴です。批評家からの評価は低いものの、過激なアクションとユニークな状況設定を楽しむことができる作品です。