映画『ボディ・ハント』（原題：House at the End of the Street）







概要


  • 原題: House at the End of the Street
  • 邦題: ボディ・ハント
  • 公開年: 2012年
  • 製作国: アメリカ
  • 監督: マーク・トンデライ
  • 脚本: ジョナサン・モストウ、パトリシア・ロズマ（ジョナサン・モストウの原案に基づく）
  • ジャンル: ホラー、スリラー、ミステリー
  • 上映時間: 101分




あらすじ


高校生のサラ（ジェニファー・ローレンス）は、母親のサラ・ペイジ（エリザベス・シュー）とともに、新しい生活を始めるため、人里離れた閑静な町へ引っ越してきます。二人が借りた家のすぐ隣には、過去に恐ろしい事件が起こったという曰くつきの家がありました。その家では、数年前に住人の少女キャリー・アンが両親を惨殺し、そのまま行方不明になったという忌まわしい過去があったのです。

その事件以来、誰も住んでいなかったはずの隣の家には、実はキャリー・アンの兄であるライアン（マックス・シエリオット）がひっそりと暮らしていました。彼は過去の事件のトラウマを抱え、町の人々からは孤立しています。サラはライアンに興味を抱き、次第に彼との距離を縮めていきます。ライアンもまた、心優しいサラに心を開き始めます。

しかし、サラがライアンの家の秘密に深く関わるにつれて、キャリー・アン失踪の真実と、ライアンの過去に隠された恐ろしい秘密が明らかになっていきます。そして、隣人たちの怪しい言動や、ライアンの不審な行動が、サラをさらなる危険へと引きずり込んでいくのです。サラは、彼女自身が次の「犠牲者」になるかもしれないという現実に直面します。


キャスト


  • エリッサ・ペイジ（サラ）: ジェニファー・ローレンス

  • ライアン・ジェイコブソン: マックス・シエリオット

  • サラ・ペイジ: エリザベス・シュー

  • ビル・ウィーバー: ギル・ベローズ

  • ペギー・ドナルドソン: エヴァ・リンク

  • タイラー・ドナルドソン: ノーラン・ジェラード・ファンク


主題歌・楽曲


映画の音楽はジョン・デブニーが担当しています。特定の主題歌や劇中歌がフィーチャーされているという情報はありませんが、スリリングな展開を盛り上げるためのスコアが中心です。


受賞歴


本作は主要な映画賞の受賞歴は確認できませんでした。


撮影秘話


  • 主要な撮影は、カナダのオンタリオ州オタワで行われました。
  • ジェニファー・ローレンスは本作の撮影時、『ハンガー・ゲーム』でブレイクする前であり、まだ新人女優としてキャリアを積んでいる時期でした。そのため、公開時には彼女の人気が後押しする形となりました。
  • 映画の雰囲気を作り出すため、不気味な隣の家や、郊外の静けさが持つ二面性が強調されています。


感想


『ボディ・ハント』は、ジェニファー・ローレンスの好演が光る心理スリラーです。隣の家に隠された秘密と、ライアンという謎めいた人物への不信感が、観客をハラハラさせます。従来のホラー映画のような直接的な恐怖表現よりも、不穏な雰囲気と心理的な駆け引きでサスペンスを盛り上げています。ただし、人によっては、予測可能な展開や、ジャンルとしては物足りなさを感じるかもしれません。


レビュー


批評家からのレビューは賛否両論でした。ジェニファー・ローレンスの演技は概ね評価されたものの、ストーリーの独創性や、結末の衝撃度については意見が分かれました。典型的なティーン向けスリラーの枠を出ていないという批判がある一方で、静かな恐怖とサスペンスを楽しめる作品として評価する声もありました。


考察


この映画は、「隣人」という身近な存在の中に潜む狂気や、人間関係における信頼と裏切り、そして閉鎖的なコミュニティにおける異質なものへの排他性をテーマにしています。特に、ライアンの抱える秘密とその複雑な心理が、物語の鍵となります。サラの探求心と危険への誘惑が、観客を物語の深みへと引き込みます。


ラスト


（ネタバレを含みますのでご注意ください） 


映画の終盤、ライアンの家には行方不明になったキャリー・アンが、実は監禁されていたことが判明します。しかし、真の恐ろしい事実は、キャリー・アンはすでに死亡しており、ライアンが過去に起こした悲劇的な事故（あるいは事件）の代替として、彼の精神が作り出した幻想の存在だった、別の女性をキャリー・アンとして監禁・殺害していた、というものです。

ライアンは、過去に自分の手でキャリー・アンを殺してしまった（あるいは事故で死なせてしまった）という事実を受け入れられず、その空虚感を埋めるために、無関係な女性たちを誘拐しては、キャリー・アンとして生活させ、やがて殺害するという行為を繰り返していたのです。

サラはライアンの真の狂気と、彼が自分を次のキャリー・アンにしようとしていることを知ります。壮絶な攻防の末、サラはなんとかライアンから逃れ、彼の狂気を暴くことに成功します。ライアンは警察に逮捕され、物語は一応の解決を見ます。しかし、サラの心には深い傷跡が残り、隣の家での出来事は彼女の人生に大きな影を落とします。


視聴できるサイト


これらのサービスでは、レンタルまたは購入での視聴が可能です。具体的な配信状況は、各プラットフォームでご確認ください。


まとめ


映画『ボディ・ハント』（原題：House at the End of the Street）は、2012年公開のジェニファー・ローレンス主演のスリラー映画です。過去に惨劇が起きた隣の家に住む青年との交流を通じて、主人公が恐ろしい真実に巻き込まれていく物語です。心理的なサスペンスと、人間の狂気を描いた作品であり、ジェニファー・ローレンスの初期の主演作としても注目されました。