映画『ディスタービア』(原題:Disturbia)







概要


  • 原題: Disturbia
  • 邦題: ディスタービア
  • 公開年: 2024年6月11日現在、日本での公開は2007年7月14日。製作年は2007年。
  • 製作国: アメリカ
  • 監督: D・J・カルーソー
  • 脚本: クリストファー・B・ランドン、カール・エルズワース
  • ジャンル: スリラー、ミステリー、サスペンス
  • 上映時間: 105分




あらすじ


高校生ケール(シャイア・ラブーフ)は、父親を交通事故で亡くしたショックから立ち直れず、教師を殴ってしまい、3ヶ月間の自宅軟禁を命じられます。GPS付きの足首監視装置(アンクレット)を装着され、自宅の庭から一定範囲を出ることも許されません。ゲームもテレビも飽きてしまい、退屈と孤独に苛まれる中、ケールは時間を持て余し、隣人の私生活を覗き見することに熱中し始めます。

ある日、向かいに引っ越してきた美人な隣人アシュリー(サラ・ローマー)の存在に心を奪われ、彼女との交流が始まります。同時に、不気味な隣人、ターナー(デヴィッド・モース)の行動に不審な点があることに気づきます。夜な夜な望遠鏡でターナーの家を監視するうちに、ケールは彼が連続殺人事件の犯人であると確信し始めます。

ケールは友人のロニー(アーロン・ヨー)やアシュリーを巻き込み、ターナーの正体を暴こうとしますが、自宅軟禁中のため身動きが取れません。外部からの助けも得られず、疑念は確信へと変わっていきます。しかし、ターナーもまた、自分を監視するケールの存在に気づき、ケールと友人たちの身に危険が迫ります。彼らは自宅という限られた空間の中で、殺人鬼との息詰まる攻防を繰り広げることになります。


キャスト


  • ケール・ブレクト: シャイア・ラブーフ
  • アシュリー: サラ・ローマー
  • ロニー: アーロン・ヨー
  • ターナー: デヴィッド・モース
  • ジュリー・ブレクト(ケールの母): キャリー=アン・モス


主題歌・楽曲


映画の音楽はジェフ・ザネリが担当しています。特定の主題歌や劇中歌がフィーチャーされているという情報はありませんが、緊張感を高めるサスペンスフルなスコアが特徴です。


受賞歴


  • MTVムービー・アワード2008: ブレイクスルー演技賞(シャイア・ラブーフ) - 受賞(『トランスフォーマー』と合わせて)
  • ティーン・チョイス・アワード2007: チョイス・ムービー:スリラー(受賞)
    • チョイス・ムービー:ホラー/スリラー俳優(シャイア・ラブーフ)- ノミネート


撮影秘話


  • 本作は、アルフレッド・ヒッチコック監督の古典映画『裏窓』(Rear Window)に大きな影響を受けているとされています。自宅に閉じ込められた主人公が、窓から隣人の秘密を覗き見するという共通のプロットがあります。
  • シャイア・ラブーフは、自宅軟禁という状況のリアリティを出すため、撮影中は実際にアンクレットを装着して生活してみたといわれています。
  • デヴィッド・モースが演じる殺人鬼ターナーは、不気味で抑制された演技が評価されました。
  • ロサンゼルス近郊の郊外の住宅地で撮影が行われ、アメリカの典型的な郊外の家々が舞台となっています。


感想


『ディスタービア』は、自宅軟禁というユニークな設定と、古典的な「覗き見」スリラーの要素を現代的に融合させた作品です。シャイア・ラブーフの若々しい演技が魅力的で、隣人の行動を追ううちに緊張感が徐々に高まっていく過程が巧みに描かれています。後半のアクションとサスペンスの盛り上がりも申し分なく、観客を引きつけます。退屈な日常が、一転して命がけのサバイバルへと変わる展開がスリリングです。


レビュー


批評家からのレビューは概ね好意的でした。Rotten Tomatoesでは69%の支持率を獲得し、「シャイア・ラブーフの強力な演技と、タイトな演出、そして多くのサスペンスのおかげで、『ディスタービア』は期待を裏切らない、効果的な現代版『裏窓』だ」と評価されています。Metacriticでは56/100のスコアで、「賛否両論または平均的なレビュー」とされています。多くのレビュアーが、若手俳優たちの演技と、現代的なひねりを加えた古典的アイデアを高く評価しました。


考察


この映画は、現代社会における「監視」と「プライバシー」というテーマを内包しています。GPS監視というテクノロジーの進化、そしてSNSなどによる他者の生活へのアクセスが容易になった時代において、どこまでが許容されるのか、また覗き見という行為が引き起こす危険性を暗示しています。同時に、退屈から生まれた好奇心が、想像を絶する恐怖へと変貌する過程も描いています。


ラスト


ネタバレを含みます


 ターナーの家で絶体絶命の危機に陥ったケールは、母親のジュリーやアシュリー、そして警察の介入により、なんとか窮地を脱します。ターナーは殺人鬼であることが確定し、彼の家から複数の女性の遺体が発見されます。

警察の捜査により、ターナーの悪行が完全に暴かれ、彼の狂気は収束します。ケールは逮捕されることなく、自宅軟禁の期間を終えます。足首のアンクレットが外され、彼は自由の身となります。

ラストシーンでは、ケールとアシュリー、ロニーが改めて友情を深め、明るい未来に向けて歩き出す姿が描かれます。ケールは、この経験を通して父親の死という悲しみから立ち直り、新たな人生を始めるかのように示唆されます。彼の人生は、自宅軟禁という不幸な出来事がきっかけで、殺人鬼との遭遇という恐ろしい経験を経て、大きく変わることになります。


視聴できるサイト


これらのサービスでは、レンタルまたは購入での視聴が可能です。具体的な配信状況は、各プラットフォームでご確認ください。


まとめ


映画『ディスタービア』は、2007年公開のアメリカ製スリラー映画です。自宅軟禁中の高校生が隣人の不審な行動を覗き見するうちに、彼が連続殺人犯であると確信し、命がけの攻防を繰り広げる物語です。シャイア・ラブーフ、サラ・ローマー、デヴィッド・モースといったキャストの演技が光り、古典的な「覗き見」スリラーに現代的な要素と若者の視点を加えることで、新たな魅力を生み出しています。緊張感のある展開とサスペンスが楽しめる作品として、広く支持されました。