映画『ゲット スマート』(原題:Get Smart)







概要


  • 原題: Get Smart
  • 邦題: ゲット スマート
  • 公開年: 2008年 (日本公開は2008年7月5日)
  • 製作国: アメリカ
  • 監督: ピーター・シーガル
  • 脚本: トム・J・アストル、マット・エンバー
  • ジャンル: アクション、コメディ
  • 上映時間: 110分




あらすじ


アメリカの秘密諜報機関「コントロール」で、分析官として優秀な成績を収めていたマックスウェル・スマート(スティーヴ・カレル)。彼はいつか現場のエージェントになり、世界を救うことを夢見ていました。そんなある日、「コントロール」本部がテロ組織「KAOS(ケイオス)」の襲撃を受け、エージェントのリストが流出してしまう大事件が発生します。

これにより、現場のエージェントが任務に就けない状況となり、やむなくスマートは念願のエージェントに昇格。しかし、彼の与えられたエージェント番号は「86」と、およそ伝説のヒーローには程遠いものでした。彼と組むことになったのは、美人で有能なベテランエージェント、エージェント99(アン・ハサウェイ)。

「KAOS」の世界的テロ計画を阻止するため、スマートと99はロシアへ向かい、そこでテロリストの首謀者であるジークフリート(テレンス・スタンプ)とサイフェルト(ケン・ダヴィティアン)の阻止に奔走します。しかし、スマートは頭脳明晰な分析官としては優れていても、現場での行動は常にドジと失敗の連続。それでも、彼の型破りな発想と、時折見せる意外な才能が、危機を乗り越える鍵となることも。二人は衝突しながらも、世界の危機を救うため、そして自身の存在意義を証明するために奮闘します。


キャスト


  • マックスウェル・スマート(エージェント86): スティーヴ・カレル
  • エージェント99: アン・ハサウェイ
  • チーフ: アラン・アーキン
  • ジークフリート: テレンス・スタンプ
  • サイフェルト: ケン・ダヴィティアン
  • エージェント23: ドウェイン・ジョンソン
  • LAIR(隠れ家)の男性: ビル・マーレイ(カメオ出演)
  • ホワイトハウスの警備員: ジェームズ・カーン(カメオ出演)


主題歌・楽曲


映画の音楽はトレヴァー・ラビンが担当しています。特定の主題歌がフィーチャーされているという情報はありませんが、1960年代に放送された元となるテレビシリーズのテーマ曲が、本作でもアレンジされて使用されています。


受賞歴


主要な映画賞の受賞歴は確認できませんでした。


撮影秘話


  • 本作は、1960年代にヒットした同名のテレビシリーズ『それ行けスマート』(Get Smart)を原作としています。このテレビシリーズは、パロディの要素を多分に含んだスパイコメディとして人気を博しました。
  • スティーヴ・カレルは、原作者メル・ブルックスが作ったオリジナル版の精神を尊重しつつ、彼自身のユーモアのスタイルを加えてマックスウェル・スマート像を作り上げました。
  • アン・ハサウェイは、自身の役のために武術のトレーニングを積んだと報じられています。
  • 映画には、元々のテレビシリーズのファンが喜ぶような、電話型の靴などのガジェットや、お馴染みのフレーズ「I missed it by that much!(惜しい!)」などが随所に盛り込まれています。


感想


『ゲット スマート』は、原作のレトロなスパイコメディの雰囲気を現代に蘇らせた作品として、多くの観客に受け入れられました。スティーヴ・カレルは、不器用ながらも憎めないマックスウェル・スマートを好演し、アン・ハサウェイ演じる有能なエージェント99との対比が笑いを誘います。ドウェイン・ジョンソンやアラン・アーキンといった脇を固めるキャストも魅力的で、テンポの良いアクションとギャグのバランスが取れています。


レビュー


批評家からのレビューは賛否両論でした。Rotten Tomatoesでは51%の支持率で、「スティーヴ・カレルは魅力的な主人公であり、アン・ハサウェイも素晴らしいが、『ゲット スマート』はしばしばそのユーモラスな前提を最大限に活用しきれていない」という総意が示されています。しかし、コメディとしての楽しさや、スティーヴ・カレルとアン・ハサウェイの相性の良さを評価する声も多く、純粋なエンターテイメントとして楽しんだ観客は多いようです。


考察


この映画は、現代のスパイ映画の定型(例えばジェームズ・ボンドシリーズなど)をパロディ化しつつ、そこにドタバタコメディの要素を加えています。スマートの「愚直さ」や「運の良さ」が、洗練されたスパイ像とは対照的に描かれ、それが笑いの源となっています。同時に、コメディの中に潜むシリアスなアクションシーンも盛り込むことで、飽きさせない工夫が凝らされています。エージェントという職業の裏側にある、意外な人間性や友情も描かれています。


ラスト


ネタバレを含みます) 


最終的に、スマートと99は「KAOS」のジークフリートが仕組んだ核兵器テロを阻止することに成功します。一連の混乱と失敗(しかし結果的には成功)を経て、スマートはチーフやエージェント23といった同僚たちからもその功績を認められ、一人前のエージェントとして成長を遂げます。

映画の終わりでは、スマートは再び「コントロール」の任務に就きます。ある日、彼はエージェント99と高級レストランで食事をしている最中、彼らの前に新たな危機が迫っていることを示す緊急の電話がかかってきます。スマートはいつものように、レストランの電話から伸びるコードでテーブルの真ん中を割ってしまい、スマートらしくドジを踏みながらも、新たな任務へと向かいます。このラストは、彼のスパイとしての冒険が今後も続いていくことを示唆しており、テレビシリーズの続編を思わせる締めくくりとなっています。


視聴できるサイト


  • Amazon Prime Video
  • U-NEXT
  • Hulu
  • Netflix (時期によって配信状況が変わることがあります)
  • Google Play ムービー&TV
  • YouTube Movies

これらのサービスでは、レンタルまたは購入での視聴が可能です。具体的な配信状況は、各プラットフォームでご確認ください。


まとめ


映画『ゲット スマート』(原題:Get Smart)は、1960年代の人気テレビシリーズを映画化した2008年のアクション・コメディです。スティーヴ・カレルがドジで不器用ながらも、運とひらめきで世界を救おうとするエージェント86を、アン・ハサウェイが有能なエージェント99を演じ、コミカルな掛け合いとスパイアクションが融合したエンターテイメント作品となっています。原作へのオマージュも随所に散りばめられており、スパイ映画のパロディとして、気軽に楽しめる一本です。