『ブルービートル』
映画『ブルービートル』(原題:Blue Beetle)
概要
- 原題: Blue Beetle
- 邦題: ブルービートル
- 公開年: 2023年
- 製作国: アメリカ
- 監督: アンヘル・マヌエル・ソト
- 脚本: ガレス・ダネット=アルコセル
- 原作: DCコミックス「ブルービートル」
- ジャンル: スーパーヒーロー、アクション、SF
- 上映時間: 127分
あらすじ
大学を卒業し、故郷のテキサス州エルパソに戻ってきたばかりの若者ハイメ・レイエス(ショロ・マリデュエニャ)は、家族のために就職しようと奮闘しますが、なかなか仕事が見つかりません。そんな中、巨大企業「コルド・インダストリーズ」で働くジェニー・コルド(ブルーナ・マルケジーニ)と出会い、彼女から謎の古代遺物「スカラベ」を託されます。
ハイメがスカラベに触れると、それは彼と一体化し、ハイテクな青い鎧を形成します。この鎧は驚異的なパワーと様々な武器を生み出す能力を持ち、ハイメは「ブルービートル」として新たなスーパーヒーローとなることを余儀なくされます。
しかし、スカラベはコルド・インダストリーズのCEOであり、ジェニーの叔母でもあるヴィクトリア・コルド(スーザン・サランドン)が軍事利用を目論む強力なテクノロジーでした。ハイメは、自身の力と故郷、そして家族を守るため、ヴィクトリアと彼女が操る強力なヴィランたちと戦うことになります。彼の家族もまた、ハイメの新たな能力と戦いに巻き込まれながら、彼を支えようと奮闘します。
キャスト
- ハイメ・レイエス / ブルービートル: ショロ・マリデュエニャ
- ジェニー・コルド: ブルーナ・マルケジーニ
- ルディ・レイエス(ハイメの叔父): ジョージ・ロペス
- アルバラ・レイエス(ハイメの母): エルピディア・カリーロ
- アルベルト・レイエス(ハイメの父): ダミアン・アルカサル
- ミリーザ・レイエス(ハイメの妹): ベリッサ・エスコベド
- ナナ(ハイメの祖母): アドリアナ・バラッザ
- ヴィクトリア・コルド: スーザン・サランドン
- コンラッド・ストーン: ラウル・トルヒージョ
主題歌・楽曲
映画の音楽はボビー・クリスティアン・カークパトリックが担当しています。特定の主題歌がフィーチャーされているという情報はありませんが、ハイメのラテン系のルーツを反映した音楽や、壮大なヒーローの物語を彩るスコアが特徴です。
受賞歴
2023年公開作品であり、現時点(2025年6月)では主要な映画賞の受賞情報は確認されていません。今後の映画祭やアワードでのノミネートの可能性はあります。
撮影秘話
- 本作は、DCユニバース(DCU)の新しい章「Gods and Monsters」の「一部」として位置づけられる可能性がありますが、当初は「DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)」の一部として企画・制作が進められました。
- 主演のショロ・マリデュエニャは、この役のために身体を鍛え、スタントにも積極的に取り組みました。
- メキシコ系のスーパーヒーローを主人公にした初のDC映画であり、ラテン文化が強く作品に反映されています。家族の絆やユーモアが物語の重要な要素となっています。
- 撮影は主にジョージア州アトランタで行われました。
感想
『ブルービートル』は、DC映画としては比較的小規模ながらも、家族の温かさやユーモアが際立つ、好感の持てる作品です。ショロ・マリデュエニャ演じるハイメの、ごく普通の青年がヒーローになる過程が丁寧に描かれており、共感を呼びます。ラテン文化の要素が強く、陽気な家族のやり取りが作品の魅力を高めています。一方で、ヴィランの描写やストーリー展開には、既存のヒーロー映画のテンプレートを踏襲しているという意見もあります。
レビュー
批評家からのレビューは賛否両論でした。Rotten Tomatoesでは一定の支持を得ており、「魅力的なキャスト、ユーモア、そして家族の心温まる物語で、DCUに歓迎すべき新たな風を吹き込んだ」と評価されています。一方で、ストーリーの独自性や、ヴィランの掘り下げ不足を指摘する声もありました。観客からの評価は比較的良好で、特に家族の描写やハイメの魅力が高く評価されています。
考察
本作は、従来のDC映画に見られたダークなトーンとは異なり、明るく家族中心の物語を提示することで、DCユニバースに新たな方向性を示そうとしています。ヒーローの誕生と成長を、家族の絆という普遍的なテーマと結びつけることで、より広範な観客にアピールしようとしています。また、ラテン系ヒーローの登場は、多様性を重視する現代のエンターテイメント業界の潮流を反映しています。
ラスト
(ネタバレを含みます)
最終決戦で、ハイメは家族の助けを借りながら、ヴィクトリア・コルドとその手下であるアンクル・カーテル(スカラベのコピー技術で強化された兵士)たちを倒します。ハイメはスカラベとの絆を深め、その力を完全にコントロールできるようになります。
物語の終盤では、ハイメの家族は彼がブルービートルであることを受け入れ、彼を支えることを決意します。ヴィクトリア・コルドは敗れ去り、コルド・インダストリーズはジェニー・コルドが引き継ぎ、その方向性を変えようとします。
ラストシーンでは、ハイメがヒーローとしての道を歩み始めること、そして彼とスカラベの間の共生関係が強固になったことが示されます。また、ポストクレジットシーンでは、初代ブルービートルであるテッド・コルド(ジェニーの父親)が生きている可能性が示唆され、今後のシリーズ展開への伏線が張られています。
視聴できるサイト
- U-NEXT
- Amazon Prime Video
- Max (米国での配信)
- Google Play Movies & TV
- YouTube Movies
これらのサービスでは、レンタルまたは購入での視聴が可能です。また、U-NEXTなどでは見放題作品として配信されている場合もあります。具体的な配信状況は、各プラットフォームでご確認ください。
まとめ
映画『ブルービートル』(原題:Blue Beetle)は、DCコミックス原作の2023年公開スーパーヒーロー映画です。ごく普通のメキシコ系青年ハイメ・レイエスが、古代のスカラベと一体化し、新たなヒーロー「ブルービートル」として悪と戦う物語です。家族の絆やラテン文化が強く反映された明るくユーモラスなトーンが特徴で、ショロ・マリデュエニャの魅力的な演技が光ります。批評は賛否両論でしたが、DCユニバースに新たな風を吹き込む作品として注目されました。