『プラットフォーム』
『プラットフォーム』
概要
『プラットフォーム』(原題: El hoyo)は、2019年に公開されたスペインのSFスリラー映画です。ガルデル・ガステル=ウルティアが監督を務め、社会の不条理を強烈なメタファーで描いた作品として、世界中で話題となりました。
あらすじ
物語の舞台は、「垂直自己管理センター」と呼ばれる謎めいた施設。そこは、無数の階層が垂直に連なる塔のような構造をしており、各階層には2人の収容者がいます。
1日に1度、最上階から豪華な食事が乗った「プラットフォーム」が降りてきます。しかし、上の階層から順に食事が取られるため、下の階層に行くほど残飯しか残らず、最下層では飢餓状態となります。
収容者たちは1ヶ月ごとにランダムで階層が入れ替わるため、上の階層にいれば飽食を貪り、下の階層にいれば飢えに苦しむという、極端な格差社会が形成されています。
主人公のゴレンは、ある目的のために自らこの施設に入り、様々な階層での生活を通して、人間の本性を目の当たりにしていきます。
キャスト
- ゴレン:イバン・マッサゲ
- トリマガシ:ソリオン・エギアトール
- イモギリ:アントニア・サン・フアン
- バハラト:エミリオ・ブアレ
受賞歴
- 第44回トロント国際映画祭 ミッドナイト・マッドネス部門 観客賞
- 第34回ゴヤ賞 新人監督賞、特殊効果賞、
撮影秘話
- 本作は、低予算ながらも、独創的な世界観とメッセージ性で観客を魅了しました。
- 撮影は、スペインのバスク地方にある廃工場で行われ、閉塞感のある雰囲気が見事に表現されました。
- 監督のガルデル・ガステル=ウルティアは、本作が長編デビュー作であり、その才能が高く評価されました。
感想
『プラットフォーム』は、人間の欲望、エゴ、そして社会の不条理を容赦なく描き出した、衝撃的な作品です。
観終わった後も、深く考えさせられるテーマが満載で、観る人によって様々な解釈が生まれるでしょう。
レビュー
批評家からは、その独創的な設定とメッセージ性が高く評価されました。
一方で、暴力描写やグロテスクな表現が多く、人によっては不快に感じるかもしれません。
考察
本作は、資本主義社会における格差、人間の本性、そして倫理観など、様々なテーマを内包しています。
観客は、ゴレンの視点を通して、極限状態における人間の行動を目の当たりにし、自分自身に問いかけずにはいられなくなるでしょう。
ラスト
ゴレンは、少女を連れて最下層へ向かいます。そこで少女をプラットフォームに乗せ上昇して行き、ゴレンは最下層に残ります。
このラストシーンは、希望の象徴とも、救いのない現実の象徴とも解釈でき、観客に深い余韻を残します。
視聴できるサイト
- Netflix
- AmazonPrimeVideo
まとめ
『プラットフォーム』は、賛否両論を呼ぶ作品ですが、間違いなく観る人の心に深く刻まれる作品です。
社会派スリラーや、考えさせられる映画が好きな方におすすめです。