『ダーク・シャドウ』







概要


  • 原題: Dark Shadows
  • 公開年: 2012年
  • 製作国: アメリカ
  • 監督: ティム・バートン
  • 脚本: セス・グラハム=スミス(ダン・カーティスの同名テレビドラマに基づく)
  • ジャンル: コメディ、ファンタジー、ホラー
  • 上映時間: 113分


あらすじ


時は1752年。イギリスからアメリカへと移住した富豪の息子バーナバス・コリンズ(ジョニー・デップ)は、コリンズポートという港町を築き、繁栄を極めていた。しかし、彼は魔女アンジェリーク・ブシャール(エヴァ・グリーン)の愛を拒絶したために、恐ろしい呪いをかけられてしまう。愛する女性ジョゼット(ベラ・ヒースコート)を失い、自身はヴァンパイアにされ、生きたまま棺に封印されてしまう。

それから約200年後の1972年。偶然にも棺から解放されたバーナバスは、変わり果てたコリンズポートと、没落した子孫たちの姿を目の当たりにする。当主のエリザベス・コリンズ・ストッダード(ミシェル・ファイファー)をはじめ、風変わりな親戚たち(ヘレナ・ボナム=カーター、ジャッキー・アール・ヘイリー、クロエ・グレース・モレッツなど)と奇妙な同居生活を始めることになる。

200年の時を経てもなお、バーナバスへの執念を燃やす魔女アンジェリークは、現代のコリンズ家にも様々な陰謀を仕掛けてくる。ヴァンパイアとしての特殊能力と、200年前の古風な価値観を持つバーナバスは、現代社会に戸惑いながらも、没落した一族を救い、宿敵アンジェリークとの壮絶な戦いに挑む。


主なキャスト


  • ジョニー・デップ as バーナバス・コリンズ
  • エヴァ・グリーン as アンジェリーク・ブシャール
  • ミシェル・ファイファー as エリザベス・コリンズ・ストッダード
  • ヘレナ・ボナム=カーター as ドクター・ジュリア・ホフマン
  • ジャッキー・アール・ヘイリー as ウィリー・ルーミス
  • クロエ・グレース・モレッツ as キャロリン・ストッダード
  • ベラ・ヒースコート as ヴィクトリア・ウィンターズ/ジョゼット・デュプレ
  • ガリバー・マクグラス as デイビッド・コリンズ


主題歌・劇中歌


映画の音楽は、ティム・バートン作品でお馴染みのダニー・エルフマンが作曲しました。特定の主題歌というよりも、ゴシックで幻想的な雰囲気を醸し出すスコアが特徴です。

劇中歌としては、1972年という時代設定のため、当時のヒット曲が多数使用されています。主な楽曲としては、

  • Nights in White Satin - The Moody Blues
  • Top of the World - The Carpenters
  • You're the First, My Last, My Everything - Barry White
  • Season of the Witch - Donovan
  • Ball of Confusion (That's What the World Is Today) - The Temptations

などが印象的に使用されています。


受賞歴


  • ティーン・チョイス・アワード2012: ファンタジー/SF映画賞(ノミネート)
  • ピープルズ・チョイス・アワード2013: お気に入りのSF/ファンタジー映画俳優賞(ジョニー・デップ)(ノミネート)


撮影秘話


  • ティム・バートン監督は、子供の頃にオリジナルTVドラマ『Dark Shadows』を熱心に見ており、長年の夢だった映画化を実現しました。
  • ジョニー・デップは、バーナバス・コリンズ役を演じるにあたり、オリジナルドラマのジョナサン・フリッドの演技を参考にしながらも、独自の解釈を加えています。
  • 撮影は主にイギリスで行われ、コリンズポートの町並みやコリンウッド荘といった舞台は、独特のゴシックな雰囲気で作り上げられました。
  • 特殊メイクやVFXを駆使し、ヴァンパイアや魔女の能力、幻想的なシーンが表現されています。


感想


ティム・バートンらしいゴシックで幻想的な世界観と、ブラックユーモアが融合した作品です。ジョニー・デップ演じる古風なヴァンパイアが現代社会に戸惑う姿や、エヴァ・グリーンの妖艶な魔女の存在感が際立っています。オリジナルドラマのファンにとっては、懐かしい要素と新たな解釈が楽しめるかもしれません。一方で、コメディ要素が強いため、シリアスなホラーを期待する観客には物足りない可能性もあります。


レビュー


批評家からの評価は賛否両論でした。ティム・バートンの独特なスタイルや、キャストの演技は評価されたものの、ストーリーの展開やトーンのバランス、特にコメディ要素の強さなどが意見の分かれる点となりました。オリジナルドラマのファンからも、設定の変更や物語の解釈について様々な意見が出ています。


考察


『ダーク・シャドウ』は、過去と現代の衝突、家族の絆、そして愛憎の複雑さを描いています。ヴァンパイアという非現実的な存在を通して、人間の孤独や欲望、そして時間の流れといった普遍的なテーマが表現されています。また、ゴシックホラーの要素と、ティム・バートン特有のユーモアが融合することで、独特の魅力を持つ作品となっています。


ラスト


ネタバレを含みます

宿敵アンジェリークとの激しい戦いの末、バーナバスは彼女を打ち倒し、コリンズ家を守ることに成功します。ジョゼットの魂を受け継ぐヴィクトリアとのロマンスも成就し、コリンズ家には再び平和が訪れます。


視聴できるサイト


配信状況は変更される場合がありますので、各サービスの最新情報を確認してください。


まとめ


『ダーク・シャドウ』は、ティム・バートン監督とジョニー・デップが再びタッグを組んだ、ゴシックコメディホラーです。200年の眠りから覚めたヴァンパイアが、現代社会に戸惑いながらも一族を守るために奮闘する姿を描いています。独特の映像美とユーモア、そして豪華キャストの競演が楽しめる作品です。