『ニューオーダー 』
『ニューオーダー 』
概要
『ニューオーダー』(原題: Nuevo orden)は、2020年に公開されたメキシコのディストピア・スリラー映画です。
メキシコの俊英ミシェル・フランコ監督が、広がり続ける経済格差が引き起こす社会秩序の崩壊を描き、第77回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞しました。
あらすじ
裕福な娘マリアンは夢にまで見た結婚パーティの日を迎えていた。
彼女が暮らす豪邸には、結婚を祝うため政財界の名士たちが集まってくる。
そんな中、近所の通りで行われていた貧富の差に対する抗議運動が暴動化し、マリアンの家も暴徒たちに襲撃されてしまう。
華やかな宴は一転、殺戮と略奪の地獄絵図へと変貌するが、マリアンは運良く難を逃れる。
しかし、そこには軍部による武力鎮圧と戒厳令が待ち受けていた。
電話や通信網は遮断され、ついさっきまで存在していたはずの法と秩序は崩壊、日常が悪夢へと変わってゆくのだった……。
キャスト
- マリアン:ネイアン・ゴンザレス・ノルビンド
- アラン:ディエゴ・ボネータ
- コンチ:モニカ・デル・カルメン
- ヘルマン:ダリオ・ヤズベック・ベルナル
受賞歴
- 第77回ベネチア国際映画祭 銀獅子賞(審査員グランプリ)
撮影秘話
- ミシェル・フランコ監督は、本作の制作にあたり、メキシコの社会問題を深くリサーチした。
- 撮影はメキシコシティを中心に行われ、実際の暴動やデモの映像も一部使用された。
- キャストたちは、役作りのために、貧困層の人々との交流を深めた。
感想
『ニューオーダー』は、格差社会の闇を描き出し、観客に衝撃を与える作品です。
暴動、略奪、そして軍事政権というディストピア的な状況は、現実社会と地続きであるかのように感じられます。
レビュー
本作に対するレビューは、賛否両論あります。
その衝撃的な内容と社会風刺的なメッセージは、多くの観客の心を揺さぶりました。
一方で、暴力を過剰に描写しているという批判もあります。
考察
『ニューオーダー』は、貧富の格差が極限まで拡大した社会で、何が起こりうるのかを問いかける作品です。
また、社会秩序が崩壊した後の世界で、人々がどのように生き抜いていくのかを描いています。
ラスト
物語のクライマックス、マリアンは軍事政権に捕らえられ、拘束されます。
彼女は、富裕層の人間として、反政府勢力の一員として扱われ、拷問を受ける。
映画のラストシーンでは、マリアンが拷問を受ける様子が、観客に直接的に示されます。
このラストシーンは、権力を持つ者がいかに残酷になれるか、そして、社会秩序が崩壊した後の世界で、人々がどのように生き抜いていくのかを象徴的に描いています。
マリアンは、富裕層の象徴として、軍事政権によって罰せられます。
彼女の拷問は、権力を持つ者が、自分たちの支配を維持するために、いかなる手段もいとわないことを示唆しています。
また、このシーンは、観客に「もし自分が同じ状況に置かれたらどうするか?」という問いを投げかけています。
視聴できるサイト
『ニューオーダー』は、以下のサイトで視聴できます。(2024年5月現在)
- Amazon Prime Video
- U-NEXT
いかがでしたでしょうか?
『ニューオーダー』は、観る人に強い印象を残す作品です。
社会問題に関心がある方や、衝撃的な映画を体験したい方におすすめです。