『トゥモロー・ワールド』





 概要


『トゥモロー・ワールド』(原題: Children of Men)は、2006年に公開されたイギリス・アメリカ合作のSFスリラー映画です。

P.D.ジェイムズの小説『人類の子供たち』を原作とし、アルフォンソ・キュアロンが監督を務めました。

人類が繁殖能力を失った近未来を舞台に、奇跡的に妊娠した女性を保護し、希望を託す男の姿を描いています。


あらすじ


2027年、人類は原因不明の不妊に苦しみ、18年間新たな子供が生まれていません。

世界は混乱と暴力に満ち、イギリスは移民を排除するために国境を封鎖しています。

元活動家のセオは、元妻のジュリアンから、奇跡的に妊娠したキーという若い女性を保護し、彼女を「ヒューマン・プロジェクト」という組織に送り届けるよう依頼されます。

セオはキーを連れて、危険な旅に出ることになります。


キャスト


  • セオ・ファロン:クライヴ・オーウェン
  • ジュリアン・テイラー:ジュリアン・ムーア
  • キー:クレア=ホープ・アシュティ
  • ガス:マイケル・ケイン
  • ルーク:キウェテル・イジョフォー


受賞歴


  • 第63回ヴェネツィア国際映画祭 オゼッラ賞 (撮影賞)
  • 第8回英国インディペンデント映画賞 監督賞
  • 第60回英国アカデミー賞 撮影賞、美術賞


撮影秘話


  • アルフォンソ・キュアロン監督は、長回しを多用することで、観客に臨場感と緊張感を与えました。
  • 特に、クライマックスの戦闘シーンは、約6分間の長回しで撮影され、映画史に残る名シーンとして評価されています。
  • 撮影は、実際のロンドンの街並みや廃墟で行われ、荒廃した近未来の世界観をリアルに表現しています。


感想


『トゥモロー・ワールド』は、絶望的な状況の中で、希望を求める人間の姿を描いた作品です。

リアルな映像と緊張感あふれる演出で、観客を圧倒します。

社会問題や倫理的なテーマも深く掘り下げられており、考えさせられる作品です。


レビュー


批評家からは高い評価を受け、多くの映画賞を受賞しました。

観客からも、その映像美やストーリー、俳優の演技などが絶賛されています。


考察


  • 本作は、環境問題、移民問題、テロリズムなど、現代社会が抱える問題を象徴的に描いています。
  • また、人間の希望や信仰、愛といった普遍的なテーマも扱っています。
  • 荒廃した世界の中で、子供という希望の象徴を守り抜く姿は、観客に感動と希望を与えます。


ラスト


セオはキーと生まれた子供を「ヒューマン・プロジェクト」の船に送り届けることに成功するが、自身は銃撃を受け死亡する。

船が霧の中に消えていくシーンで映画は幕を閉じ、観客に希望と余韻を残します。


視聴できるサイト



まとめ


『トゥモロー・ワールド』は、近未来を舞台にしたSF映画でありながら、現代社会の問題を鋭く問いかける作品です。

アルフォンソ・キュアロン監督の卓越した演出と、クライヴ・オーウェンをはじめとする俳優たちの演技は、観客を深く引き込みます。

SF映画ファンだけでなく、社会問題に関心がある方にもおすすめの作品です。